トランプ政権、いよいよムハンマド皇太子を切り捨てか~ムニューチン財務長官、砂漠のダボス会議出席せず~

ムニューチン米財務長官がムハンマド皇太子主催の「砂漠のダボス会議」の出席取りやめ~トランプ大統領、ポンペオ国務長官と相談のうえ決定~

 

いよいよトランプ政権がムハンマド皇太子を切り捨てる可能性が出ています。

 

ムニューチン米財務長官は以下のようなtweetをしました。

トランプ大統領とポンペオ国務長官と会って、我々は決めた。私はサウジアラビアで開かれるFuture Investment Initiative(通称:砂漠のダボス会議)に参加しない。

 

 

超絶な爆弾です、これは。

砂漠のダボス会議(フューチャー・インベストメント・イニシアチブ)に関しては、以前の記事にも紹介しましたが

砂漠のダボス会議へ欠席あいつぐ~サウジ記者失踪事件~

この会議はつまり、サウジの実質的な最高権力者であるムハンマド皇太子(ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子)が海外からの投資資金を集めるとともに、海外への投資先をみつけるためのイベントです。

サウジの潤沢なオイルマネーを狙って世界中から金融、産業界のトップ、各国の財務・経済閣僚などが集結。

その顔ぶれの豪華さから、ついた名称が「砂漠のダボス会議」というものです。

 

 

このような重大なイベントなのですが、問題が発生しています。

ムハンマド皇太子に対して極めて批判的であったジャーナリスト・ジャマル・カショギ氏の失踪事件に絡み、サウジアラビアの王室上層部の関与が疑われる状況となっており、経済関係者の多くが出席を取りやめはじめたのです。

 

 

しかし、サウジはアメリカの同盟国です。

トランプ政権としては、疑わしきは罰せずを徹底しようとしてきました。

サウジ王室を表立って批判することは避け、ムニューチン財務長官も砂漠のダボス会議に出席する方針で調整されていました。

 

 

 

これが今回、大転回するわけです。

 

ムニューチンは、

「トランプ大統領とポンペオ国務長官と会って」

「我々は決めた。」

私はサウジアラビアで開かれるFuture Investment Initiative(通称:砂漠のダボス会議)に参加しない。

 

 

 

と書いています。

つまり、ムニューチンが勝手に決めたわけじゃない。

トランプ大統領と、ポンペオ長官も納得している。

「我々はきめた(We have decided)」

と書いています。

 

 

 

 

これに前後して、ポンペオ長官はトランプ大統領に対し、

「サウジにあと数日の猶予をするように」と提言

Pompeo recommends giving Saudis ‘a few more days’ for Khashoggi …

これは、逆に言うと「トランプ大統領、決断まであと数日しかありませんよ」と言っているのと同じでしょう。

とりあえず、あと数日以内に決断しなければならない状況です。

 

 

今回の件は報道機関に対する暴力ですから、世界中のジャーナリストたちは非常に怒っています。

そう簡単に幕引きされるはずもありません。

トランプ政権がこのままずっとムハンマド皇太子を支持していたら、アメリカの大統領支持率、政権支持率が持たなくなる可能性が出てきます。

 

かといって、サウジと全面的な戦争はしたくない。

米国は、ムハンマド皇太子を切ることで、この件は終わりにしたいと考えている可能性が高いのではないか、と個人的にはかんじます。

(実行犯15人のうち9人は軍関係者、治安組織上層部だったといわれています。また、幾人かは常にムハンマド皇太子のそばにいたことが確認されているとのことです。)

 

いままで権力を好きなように濫用してきたムハンマド皇太子ですが、さすがに今回は失脚の危機が迫っています。

今まで好き放題やってきたわけで、敵も多数います。

どういうことになるのか、非常に楽しみに思います。

 

関連:米英はサウジを庇えるか?ジャマル・カショギ氏殺害事件

関連:サウジ出身の反体制記者ジャマル・カショギ氏がサウジ領事館内で殺害された可能性

以上。