砂漠のダボス会議へ欠席あいつぐ~サウジ記者失踪事件~

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砂漠のダボス会議(フューチャー・インベストメント・イニシアチブ)への欠席相次ぐ~米国による経済制裁可能性のほか、パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)の資金量激減も影響か

 

サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子を批判しつづけてきた、同国出身の著名記者ジャマル・カショギ氏が殺害された可能性が濃厚となっています。

関連:米英はサウジを庇えるか?ジャマル・カショギ氏殺害事件

 

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同記者はサウジ出身の59歳。

中東一の投資家と言われたアルワリード・ビン・タラール皇子の庇護のもと活動をしてきましたが、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子の政権奪取とともに立場が不安定に。

その後、米国に半ば亡命するようにして身を寄せながら、サウジ王政を批判するコラムをワシントンポストに寄稿してきました。

関連:サウジ出身の反体制記者ジャマル・カショギ氏がサウジ領事館内で殺害された可能性

 

カショギ記者は婚約中の女性と結婚するため、前妻との離婚証明書をとりにトルコのサウジ領事館に赴いたとのことですが、その後の足取りが途絶えています。

その後の報道では、同記者が身に着けていたアップルウォッチからペアリング先に、同記者が拷問を受けるようすが流されていたとのこと。

本当かどうかはわかりませんが、かなり信ぴょう性のある証拠があることは当初から噂されており、様々な方面に影響を与えてきています。


砂漠のダボス会議(未来投資イニシアチブ)をメディアが欠席へ

 

この件を受け、サウジ首都リヤドで10月23~25日の日程で開かれる予定の国際会議、「未来投資イニシアチブ」(別名:砂漠のダボス会議)に主要メディアが揃って欠席を表明。

ロイター通信が報じたところによると、CNN、NYタイムズ、フィナンシャルタイムズのほか、会議を主催しているCNBC、Bloombergも出席を拒否。

FOXテレビは一時出席を表明していましたが、その後の情勢変化で態度を保留すると表明しています。

 

主要ビジネスパーソンも砂漠のダボス会議(未来投資イニシアチブ)出席取りやめ

 

JPモルガンのジェイミー・ダイモンCEO、フォードのビル・フォード会長ほか、サウジアラビア公共投資ファンドPIFから投資を受けているウーバー・テクノロジーズのダラ・コスロシャヒCEO、HP幹部のジョアンナ・ポッパー氏も出席を取りやめ。

ブラックロックのラリー・フィンクCEOなども事態を見守るとしています。

なお、ヴァージングループのリチャード・ブランソンは先日サウジにリゾートを作ると息巻いていましたが、この報道のあとすぐに投資を取りやめることにした模様です。

Richard Branson freezes business ties with Saudis

 

 

 

 

砂漠のダボス会議(未来投資イニシアチブ/フューチャー・インベストメント・イニシアチブ/Future Investment Initiative)とは?

 

未来投資イニシアチブ(フューチャー・インベストメント・イニシアチブ/Future Investment Initiative)とは、年に一度、サウジの首都リヤドで行われる世界の著名ビジネスパーソンを集めた国際会議です。

その顔ぶれの豪華さから、未来投資イニシアチブは「砂漠のダボス会議」とも呼ばれています。

そのほとんどの人々が、サウジ公共投資基金( パブリック・インベストメント・ファンド / Public Investment Fund / PIF )のカネに群がっているだけのイベントなあたりが、本家のダボス会議との違いなのですが。

 

 

砂漠のダボス会議はサウジ公共投資基金( パブリック・インベストメント・ファンド / Public Investment Fund / PIF )のカネを目当てにしたイベント

 

ぶっちゃけていえば、砂漠のダボス会議はサウジアラビアの政府系ファンドPIFの資金あってのものです。

このPIF(パブリック・インベストメント・ファンド / Public Investment Fund )はサウジの政府系ファンドであり、国営石油会社サウジアラムコなどの民営化により集めた資金を再投資するために使われる予定でした。

昨年のいまくらいは、サウジは国営石油会社サウジアラムコの上場に非常に熱心で、その上場で調達した資金を元手に、世界中へ投資をしようと意気込んでいました。

PIF(パブリック・インベストメント・ファンド / Public Investment Fund )は将来的には115兆円規模の運用資金量にする予定でしたから、その運用手数料やM&Aの仲介手数料を得られれば数兆円の稼ぎになる・・・そんな思惑から、多くのビジネス関係者がサウジで開かれた「砂漠のダボス会議」に参加したのです。

 

 

 

サウジアラムコ上場無期限延期でPIFの運用資金も激減、砂漠のダボス会議に魅力がなくなった?

つまり、です。

今回の反政府記者殺害事件が起きる以前から、空気は変わっていたんです。

サウジアラムコ上場延期→PIFの運用資金量が激減→投資案件が頓挫→別に砂漠のダボス会議なんて出席しなくてよくね?

そんな空気は流れていたと思います。

先日、ソフトバンクとサウジアラビア政府系基金PIFが進めていた21兆円規模のギガソーラープロジェクトが無期限延期という報道がありました。

Saudi Fund, SoftBank Deny Their Solar Venture Is on Hold

この報道に関して両社は明確に否定をしていますが、たぶん、資金繰りがかなり危うくなってきているのではないか?

と個人的には見ていました。

 

もし今回の事件が報道の通り、サウジ王家上層部の関与があったのなら、本当に一大事です。

今回の件を受け、米国上院外交部はサウジアラビアとの兵器取引を含む広範囲な制裁措置を検討しているとされます。

そうはさせまいと、サウジ側も石油輸出禁止措置を検討と発表して牽制していますが、牽制するということはつまり、制裁される可能性が高まっているということです。

サウジアラビアが石油輸出禁止措置を検討か~記者殺害事件めぐる制裁措置を牽制

 

 

もしそうなれば、いままでPIFの資金で成り立っていたユニコーンバブルは崩壊するかもしれません。

PIFと一緒にSVF(ソフトバンク・ビジョン・ファンド)を展開していた孫正義さんも無傷ではいられないでしょう。

 

世界のビジネス関係者は、きっと一抜けするタイミングを眺めていたところでしょう。

不謹慎かもしれませんが、このタイミングでサウジの評判が落ちてくれたことで、下手に突っ込まなくてよかったと胸をなでおろしている関係者は多いと思います。

 

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逆に、すでにいろいろ突っ込んでしまっているソフトバンクの孫正義さんにとっては、枕を高くして眠れない日々が続きそうです。

決算発表時などにおける、孫正義さんの顔色には要注目です。

以上。