なんだかんだいってチャートは崩れていない件

20181028今週の米国株式市場について

 

 

 

前々回の予想(10月11日)では

10月10日米国株式市場急落を受けた当面の見通し~ソフトバンクとアマゾンに注目

 

目先、動きに勢いがあるためすぐには下げ止まりそうにない。
非常に強い下値支持線(蛍光緑)があるにはあるが、そこは軽く割ってきそうである。
前回2月の急落局面と同じくらい下げるとすると、紺色の水準まで押すことになる。
が、そこまで下がると、今度は蛍光緑のトレンドラインが上値として意識されやすい。

今後みるべきはAMZNの動向。明らかにファンダからみたら買われ過ぎであり、
崩れたときのサポートがほとんどない。
これが主導するようだと、前回安値を割って明確な世界同時株安局面となる。

そして、しっぽが胴体を振り回す展開になる可能性が高い。

 

と書きました。

やはり、AMZNがキモでした。

 

アマゾンは今週、決算とガイダンスが未達として売られましたが、それだけで売られたわけではないでしょう。

そもそもが高すぎたんです。

 

 

自分は以前からこう言ってました。(今年2月28日の投稿です)

 

アマゾンの利益のほとんどはAWSというクラウド事業から得られています。

利益の伸びもそうですし、資本効率の高さもAWS事業のおかげです。

ですから、Amazonが小売りや物流に力を入れればいれるほど、利益率が落ちるし、成長が鈍るのは当然なんですね。

 

そしてこの日を前後にマイクロソフトMSFTやアルファベットGOOGLなども決算を発表し、各社ともにこのクラウド事業へ経営資源を投入していくことがみえてきました。

とくにマイクロソフトのクラウド事業の伸びはアマゾンの二倍近くになっており、本腰を入れて戦うことがみえています。

しかも、Amazonは予想EPSベースでPER100倍近く、マイクロソフトは20倍台ですから、まったく話になりません。

アマゾンは間違いなく割高なんです。

これは下がるほかない、そう自分は思ってきました。

ようやく皆がそれに気づき始めたように思います。

 

 

 

 

なお前回の予想で書いたことですが(10月25日です)

やっぱり思った通りだった件\(^o^)/

2月の急落の時点では、景気後退へのリスクは見えていない人が多かったと思いますが、ここもと出てきた統計と決算で、循環的な景気後退が見えてきています。ただ、すでにかなり多くの銘柄はすでに下落傾向を示しており、これらの銘柄は下げてもタカが知れている。問題はGAAFAとかFAANGなどといわれる銘柄。これらのうち、特に割高なAMZNやNFLXなどがどうなるか。IPO市場が冷え込んだときのソフトバンクの財務への問題。とくにソフトバンクはサウジ、ムハンマド皇太子との関係も問題です。

 

このうち、サウジ関連はほぼ手打ちの方向が見えてきたと思います。

米英はサウジを庇えるか?ジャマル・カショギ氏殺害事件

サウジがジャマル・カショギ氏殺害に絡み強硬な手段をとるつもりなら、カナダに対してとったような手段をすでにとっているはずです。

しかし実際にはそうなっていない。それはサウジが原油の増産ペースを落としていないことからみても明らかです。これにより原油価格はここもと下落しています。

 

WTI原油

 

今まで対外強硬路線をとってきたムハンマド皇太子は権力の中枢から外されつつあるようにみえます。

代わりに、別の皇太子がとって代わる可能性がでているように思います。

 

 

アメリカは議会主導でサウジへの新規武器輸出等の規制を行う可能性はありますが、サウジマネーからの投資を絞るようなことはなさそうですし、サウジとしても、投資資金や原油市場を武器にするつもりもなさそうです。

よって、ムハンマド皇太子の処遇が代わることはあっても、ジャマル・カショギ氏殺害事件が相場全体のかく乱要因になることはなさそうだ、と予想しています。

 

 

 

なお、FAANGなど情報技術関連の下落は二極化する可能性があると思っています。

利益成長などの面で優れているのは間違いありませんから、あとはバリュエーション次第でしょう。

このセクター内、高く買われ過ぎている銘柄もありますが、十分安いと感じる銘柄もあります。

もしAMZNにつられて全体が大きく売られるなら、落ち着いたところで買いをいれていくのも手じゃないかと思います。

 

 

 

 

なお、非常に悲観論が蔓延していますが、とりあえず

S&P500が直近安値を割っていないことには注意が必要です。

大きく下落したように感じますが、長い目でみるとこの程度の動きはザラにあります。

 

 

また、Nasdaqも同様。

 

今後の展望としては、AMZNの下げを利用して前回安値を一気に下抜けできるかどうか

 

という点が重要になります。

AMZNが売られ、指数も売られ、ETFも投げられ、大暴落となるかどうか。

それは今週の動き次第ですが、

どうもそこまでの勢いはないかなぁ?という気がします。

というのもの、今回の下落はある程度予想された動きであり、VIXもあまり跳ねていないんです。

かなりの部分、ヘッジが済んでいるのではないかとみています。

過去の大暴落と重ねる意見も多いようですが、ちょっと無理があるかもしれんと感じます。弱気が多すぎるんです。

強気になりすぎるのも危険ですが、弱気になりすぎるのも違う気がします。

 

以上です。