中国半導体メーカー福建省晋華集成電路(JHICC)に対し、米国が輸出管理規則(EAR)に基づく制限措置を発動へ~本格的に中国企業をハブり始めた!

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トランプ政権、中国半導体メーカー福建省晋華集成電路(JHICC)に対し、輸出管理規則(EAR / Export Administration Regulations )に基づく輸出制限措置を発動~本格的に中国企業をハブり始めた!

 

米商務省、中国の半導体メーカー福建省晋華集成電路(JHICC / Fujian Jinhua)に対し、輸出管理規則(EAR)に基づく輸出制限措置を発動

U.S. to Restrict Exports to Chinese Chipmaker Fujian Jinhua

いよいよ始まったな、といった感があります。

米中貿易戦争が一段階ヒートアップしました。

今回は中国の半導体メーカー福建省晋華集成電路(JHICC / Fujian Jinhua)をエンティティーリストに記載、米商務省が輸出管理規則(EAR)に基づく輸出制限措置を発動させるというものです。

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輸出管理規則(EAR)に基づく輸出制限措置により、今後は全ての輸出、再輸出が制限されるほか、商品、ソフトウェア、技術移転などにおいて承認が必要になります。

そして、この規則のキモは、これが他の国の他の企業にも適用されるということ。

つまり、米国企業と取引したければ、輸出管理規則(EAR)で輸出制限措置を受けた企業とは取引するな、ということです。

 

 

中国の半導体メーカー福建省晋華集成電路は米マイクロン・テクノロジーズと係争中

中国の半導体メーカー福建省晋華集成電路(JHICC)は、現在、特許問題を巡って米メモリ大手のマイクロン・テクノロジーズと係争を抱えているとのことですが、それが原因になっているのか、何が原因で輸出管理規則(EAR)のエンティティーリストに記載されたのか、具体的な内容はわかりません。

 

 

 

輸出管理規則(EAR/ Export Administration Regulations )とは?

 

輸出管理規則(EAR)とは、「規則」とついているとおり、その上に法律があります。

具体的には、商務省産業安全保障局(BIS)の輸出管理法(Export Administration Act / EAA)の細則である輸出管理規則(Export Administration Regulations / EAR )という感じです。

で、この輸出管理規則(EAR/ Export Administration Regulations )については、こちらに詳しく書かれています。

Export Administration Regulations Downloadable Files

Electronic Code of Federal Regulations

全部訳していたら何日もかかるんでサワリ(Part 730 – General Information)だけ書き出します。

In this part, references to the Export Administration Regulations (EAR) are references to 15 CFR chapter VII, subchapter C.

EARっていうのは15 CFR chapter VII, subchapter Cのことだよ。

The EAR are issued by the United States Department of Commerce, Bureau of Industry and Security (BIS) under laws relating to the control of certain exports, reexports, and activities.

EARってのは米国商務省産業安全保障局(Bureau of Industry and Security, BIS)によって発行されてるよ。特定の輸出、再輸出と行動を管理する法律に基づいて。

§730.6 Control purposes.
The export control provisions of the EAR are intended to serve the national security, foreign policy, nonproliferation of weapons of mass destruction, and other interests of the United States

EARによる輸出管理ってのは、国家安全保障、外交政策、大量破壊兵器の拡散阻止、そのほか米国の権益に関することに資するためにやるんだよ。

 

・・・みたいなことをツラツラ書かれているのが輸出管理規則(EAR/ Export Administration Regulations )です。

つまり、米国の都合でいろいろと管理貿易をするための規則が、輸出管理規則(EAR/ Export Administration Regulations )だと思っておk。

 

 

 

輸出管理規則(EAR)の何が問題か?

輸出管理規則(EAR)の何が問題なのかというと、輸出、再輸出の規制が域外での取引にも適用されることです。

つまり、米国の決めた輸出管理規則(EAR)に違反しただけで、米国以外の企業であっても米国企業との取引ができなくなる可能性があること、そこに尽きると思います。

 

 

 

輸出管理規則(EAR)を利用して中国企業(福建省晋華集成電路)をハブろうとしているアメリカ

ようするに、米国は

「福建省晋華集成電路(JHICC)とリストにある製品を取引したら米国企業とも取引できないよ。それでも福建省晋華集成電路(JHICC)と取引続ける?」

と諸外国の企業を脅しているわけです。

今回、ターゲットにされた福建省晋華集成電路(JHICC)がどういった理由でリスト入りしたのかはわかりませんが、極めてスケープゴート色の濃いやり方だな、、、という感じがします。

今後、米国は他の中国半導体製造メーカーにも規制を加えてくる可能性が高いです。

なんやかんやとイチャモンつけて、中国の半導体製造メーカーが設計に使うソフトや、製造に使う半導体製造装置に関して輸出制限をかけてくると思われます。

 

 

輸出管理規則(EAR)を使って中国製造2025を邪魔したいアメリカ

アメリカは、輸出管理規則(EAR)を使って中国製造2025を邪魔したいのです。

中国は、中国製造2025という標語の下、世界一の製造業強国を目指して邁進しています。

これの中心になるのが半導体の自国生産です。

中国は半導体の純輸入国です。

その輸入額は化石燃料の金額をこえており、財別にみると中国の輸入額の一位は半導体集積回路なわけです。

中国:周辺諸国裏庭化のための半導体投資 その1

これを自国ですべて賄いたい、というのが中国の望みです。

そして、そうはさせじと思っているのが、アメリカです。

アメリカはインテルやAMD、エヌビディア、クアルコム、マイクロン、ウェスタンデジタルなどを含め、世界一の半導体強国です。

中国がもしも自国で全部賄えるようになったなら、アメリカの半導体産業はアガッたりなわけです。

トランプ政権は、中国製造2025を本気で潰したくてたまらない。

だから、難癖つけて輸出管理規則(EAR)を利用して邪魔しにかかっているわけです。

 

 

 

 

 

輸出管理規則(EAR)のせいで半導体製造装置メーカーは苦難の道へ

中国は向こう5年(だったかな?)で十兆円を超える規模の投資を半導体製造につぎ込むといわれています。

中国・清華紫光集団、今後10年間で半導体製造に11兆円投資へ

この記事は10年で11兆円となっていますが、これは精華紫光集団一社だけの数字です。

 

こうした中国需要を当て込んで半導体製造装置メーカーは供給力を膨らませてきました。

その部品産業も同様に供給力を増やしてきています。

それが、輸出管理規則(EAR)のせいで腰折れする可能性が出ています。

 

 

とりあえず輸出管理規則(EAR)なんて無視して規制対象企業と取引することも可能です。

しかし、それをやったらアメリカ企業と取引できなくなる。

そのリスクをおかして輸出管理規則(EAR)の規制対象企業と取引する企業はほとんどないでしょう。

 

 

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今回の件は非常に大きな影響を及ぼします。

既存の半導体メーカーにとっては朗報ですが、半導体製造装置メーカーにとってはキツい内容です。

とりあえず、そんな感じで明暗の分かれた展開を予想しています。

以上です。