中国・清華紫光集団、今後10年間で半導体製造に11兆円投資へ

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中国・清華紫光集団、今後10年間で半導体製造に11兆円投資へ

紫光集団、米制裁警戒 備え急ぐ
中国・紫光集団、紅い半導体 自立の夢

中国の国策半導体企業、清華紫光集団は、今後10年間で半導体の製造に少なくとも11兆円以上を投入するとのことです。

 

清華紫光集団は、その名前の通り、清華大学の関連企業です。

清華大学は中国きってのエリート大学であり、とくに理系分野に強い、俗にエンジニアの揺籃とも呼ばれる大学ですが、意外にも政治家も多く輩出しており、じつは習近平国家主席も精華大学出身者なのです。

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そんなわけで、政府とのつながりがめちゃめちゃ強い。国策大学、国策企業集団となっています。

この清華紫光集団、以前は対外投資を積極化させていました。

NANDメモリの技術を手に入れるためにウェスタンデジタル(Western Digital)に出資を検討したり、半導体メモリ大手マイクロン・テクノロジー(Micron Technology)に買収を仕掛けました。しかし、対米外国投資委員会(CFIUS)が反対して実現しませんでした。

中国半導体、2兆8400億円で米マイクロンに買収提案 :日本経済新聞

また、韓国SKハイニックスや台湾TSMC、メディアテックなどにも出資を打診したそうですが、こちらも警戒されて失敗したようです。

趙偉国董事長は、2015年から五年間で3000億元(約5.1兆円)を投じてインテルとサムスン電子に次ぐ世界シェア三位をとる、という目標を立てていましたが(日経新聞)、それは現在に至るまで実現していません。

 

 

しかしなぜ、中国はそうまでして半導体への投資を急ぐのでしょうか?

それは、中国の貿易構造にあります。

これは以前の記事でも書いたことですが、じつは中国の貿易収支をみると、化石燃料の輸入よりも半導体の輸入の方が多いのです。

 

 

中国は海外から半導体や電子デバイスを輸入して、それを組み立てて世界中に輸出しています。あくまでも組み立てがメインであり、半導体の製造に関してはそれほど強くなかったのが今までの中国でした。

つまり、一番大きく稼げるはずの産業(インテルやエヌヴィディアの営業利益率は30~40%くらいです)が中国は弱く、労働集約型の産業が未だに多いのが、中国の産業のネックになっていました。

そこで中国は、半導体の自給を目指すと言いだしました。

そのためには、技術者ごと買収してしまうのが手っ取り早いということで、買収に乗り出したのが先程のウェスタンデジタルやマイクロンへのアプローチでしたが、しかしそれは頓挫してしまいました・・・

そこで路線転換して、買収ではなく自分たちで工場を立ち上げ、高給で技術者を引き抜いてやっていこう・・・という方針になりました。

エルピーダの坂本幸雄さんが立ち上げたサイノキングなども同じ構図です。上手くいっているという話は聞きませんが、とりあえず技術者を集めて、設備を買って、ぐりぐり回そうということです。

 

とりあえず、2020年に40%、2022年に70%の半導体を自給自足できるようにしよう、と中国政府は言っています。

中国:周辺諸国裏庭化のための半導体投資 その1

これに使われるのが、国家集成電路産業投資基金、中国国家IC産業投資基金(CICIIF/China Integrated Circuit Industry Investment Fund Co.)などの国家資金を背景にした国内産業育成ファンドです。日本にも産業再生機構の同様のファンドがありますが、それをさらに大きくして、より先端的な分野に特化したファンドです。

とりあえず、これらファンドがまず数兆円単位で資金を集めます。そこにさらに各省、各地区、各県、各郷などの地方行政府ごとの投資組合が資金をかき集めて投資します。さらにそこに、地元金融機関が低利迂回融資を行う・・・すると、自己資本は20~30%程度の負担で最新鋭の工場を立ち上げられるのだそうです。つまり、

清華紫光集団は今後10年で11兆円投資すると言っているが、実際にはこの数倍の投資が行われる・・・

と考えて良いと思います。

実際、過去の例をみると、リチウムイオン電池世界最大手CATL寧徳時代新能源科技などでは、ほんの6~7年前はちっぽけな会社でしたが、今では売上規模ウン十倍、利益数百倍なんてことになってます。これらも上記のような国家ぐるみの資金提供の賜物です。

中国はあらゆる生産物の自前調達主義に走っています。

IT技術で生産効率を向上させ、低コストで世界中に消費財を溢れさせる・・・それこそが中国製造2025で起きることです。

 

果たしてこの規模の投資についていけるだけの日本企業はあるでしょうか?

いろいろと、日本企業は本格的に諦めないといけない時期に入っていると思います。

また今は半導体製造装置メーカーや同部品メーカーは対中国向けに潤っていますが、2022年あたりからは厳しくなるのではないかと思います。中国企業は間違いなく設備も自前で作ろうとし始めるでしょうから。

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そしてもう一つ、ちょっとあり得ないけれど、もし実現したらマズいことは、中国への半導体製造装置輸出の禁止措置をアメリカが言い出すことです。なにかコジツケてくる可能性は十分にありえます。

中国の半導体製造を軌道に乗せないためには、もはやそれしかないのですから。