インド金融混乱~アチャルヤ副総裁がモディ首相批判、パテル総裁は辞任か?~

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金融市場の混乱をめぐりインド政府・インド準備銀行の関係悪化加速~モディ首相による中銀介入をアチャルヤ副総裁が批判、パテル総裁辞任か

 

これまで堅調に推移しきたインド経済が、原油価格上昇を起点にしたインフレ率の高進、ノンバンク系金融会社(NBFC/non banking finance company)であるIL&FS(Infrastructure Leasing & Financial Services)の破綻問題などもあり、大きく揺れています。

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ナレンドラ・モディ首相をインド準備銀行(Reserve Bank of India/RBI)のビラル・アチャルヤ副総裁(Viral Acharya)が批判

こうしたなか、この責任の所在を巡ってインド準備銀行とインド政府内部でさまざまな鍔迫り合いがおきている模様。

先日、モディ首相が日本にやってきていたときには、留守を見計らうかのようにして、インド準備銀行副総裁であるビラル・アチャルヤ副総裁(Viral Acharya)が、モディ首相による中銀への介入姿勢を

「中央銀行の独立性を損なうことは決定的な危機に繋がりかねない」

として非難。

アルゼンチンの例を引き合いに、中銀の独立性を尊重しないことの問題点を指摘しました。

Indian government very upset with central bank for making rift public: sources

これに対して政府は猛烈に怒っているそうです。

内輪のもめ事を表に出すな、と。

それも日本に外遊している最中に。

 

 

ナレンドラ・モディ首相(Narendra Damodardas Modi)によるインド準備銀行への介入

この一件をめぐっては、事前に流れていたエコノミック・タイムズ紙などの情報を総合すると、政府は中銀法の規定の一部(インド中銀法第7項)を利用して、公共の利益に関する問題解決のために中銀総裁に指示を出すつもりだったとのこと。

具体的には、ノンバンク系金融機関NBFC向けに流動性を供給すること、業績悪化に苦しむ銀行の資本、中小企業向け融資などについて、細かく政府がインド中銀に指示をだす書簡を送りつけていたとのことです。

こうした貸出基準緩和や中銀の権限縮小を主導しているのはジャイトリー財務相と言われています。

ジャイトリー財務相は、過去のインドの過剰貸し付け問題をインド中銀の責任であるとして批判しており、中銀と政府の間に溝ができています。

ただ、インドの銀行のほとんどは国有もしくは公有で、その指導を行うのは財務相の責任のはず。

これは、自分の責任を棚にあげて中銀を批判する行為であり、いろいろどうなんだろう・・・と個人的には思います。

 

BSE 30

 

USD/INR

 

インド準備銀行、パテル総裁辞任か

こうした混乱のなか、インド準備銀行のパテル総裁が辞任か?と報じられています。

RBI governor Urjit Patel may resign, say reports

ジャイトリー財務相がこれ以上介入姿勢を強めるならやめてやる、ということです。

ここにきて両者の関係は決定的になってきています。

 

なお、IL&FSにはオリックスもかなり出資していますが、これについてインド政府は民営化も視野に入れているといわれています。

IL&FSはそのままでは債務超過ですから、あとは誰が出資に応じるか、債務の引き受けをするか、金利をどのように減免するかという話。

ここでインド準備銀行のカネを使おうとジャイトリー財務大臣は考えているのかもしれません。

しかし、90年代末の日本のようなデフレ下での破綻ならともかく、高インフレ環境下でそれをやることの危険性は、アチャルヤ副総裁でなくとも何となく感じます。

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とりあえず、インドはここらへんのガバナンスの問題がなんとかならないと、ずっとこの調子かもしれませんね。

以上です。