米国債保有残高が発表されました。
どうやら大方の予想どおり、中国が売っていたようです。
いっぽう、日本は小幅買い越しとなりました。
Major Foreign Holdings of Treasury Securities
2018年1月は米国債が大きく売られました。
米トランプ政権による対中政策への反発などを理由に、中国が米国債を売っているのでは?との観測が流れましたが、これが実際に裏付けられたことになります。
中国、米国債購入の停止検討 保有残高世界1位 報道で10年債利回り10カ月ぶり水準
なお、その前の月は中国が買い、日本が売っていました。
中国の米国債保有残高は昨年8月を境に減少傾向にかわってきており、これが人民元高圧力を助長しています。
中国は経常収支が大幅に黒字です。
ようするに、ふつうにしていても米ドルがガバガバ入ってきます。
これをそのままにしておくと人民元がどんどん高くなりますから、そうならないように米国債を買ってきました。
その結果、購買力平価ベースでみると1ドル3.6人民元程度が妥当とされるのに対し、現在は1ドル6.3人民元となっています。
このことをもとに、大幅に人民元は過小評価されているのではないか?
それによって中国の輸出産業は有利になりすぎているのではないか?
中国がやっているのは近隣窮乏化政策とおなじなのではないか?
と、主張している人たちもいます。
中国がもしも米国債購入を本格的に止めるようならば、人民元は大幅に上昇することになるはずです。
じつは賃金上昇率とインフレ率はあまりリンクしていません。
それよりも、過去の例をみるかぎりでは、米ドル相場安の方がインフレに直結しています。
今後より一層、米債需要の推移が注目されることになると思います。
by中卒くん