サムスン・バイオロジクス、上場廃止か?~背景に事業承継をめぐる複雑な会計処理~
巨額粉飾事件に揺れるサムスン・バイオロジクスに上場廃止危機
巨額粉飾事件に揺れるサムスン・バイオロジクスですが、いよいよ上場廃止の危機が迫ってきているようです。
S.Korea to begin formal review whether to delist Samsung BioLogics
このサムスン・バイオロジクスの粉飾事件は、総額が4500億円規模という、かなり巨額にのぼる事件です。
これは起亜自動車(3000億円規模)、SKグローバル(1500億円規模)、大宇グループ(2300億円規模)などよりもさらに一段大きい水準。
さすがサムスングループといえますが、とりあえず、これら韓国の巨額粉飾決算が今まで起きた経緯と同じく、今回のサムスン・バイオロジクスの粉飾会計もまた、イ・ジェヨン会長から息子への円滑な事業継承を目論んだものでした。
この件に関しては以下をごらんください。
【韓国】サムスン・バイオロジックスの粉飾を証券先物委が認定~李在鎔体制の中核も揺るがす~
サムスン・バイオロジクス株を使った粉飾とその意図
簡単にいってしまうと、サムスンオーナー一家の資産管理会社「第一毛織」の価値を膨らませることでサムスン物産との合併比率を引き上げ、事業継承をスムーズにさせようとしました。
そのためにサムスン・バイオロジクス株の価値を粉飾によって高め、第一毛織の価値を引き上げた・・・というのが今回の事件の中身のようです。
今回の件では、サムスングループの中核企業であるサムスン物産にも捜査の手が回っています。
韓国ではよくあることですが、司法も行政も国民感情、メディアの煽り次第で大きくゆがめられます。
今回もまた、そういった動きが出てきています。
とりあえず、時価総額がTOP10に入るサムスン・バイオロジクス、上場廃止となれば多方面に影響する可能性があります。
注意していく必要があろうかと思われます。