『産業革新投資機構(JIC)』と経済産業省が対立~背景に日産自動車の問題がある可能性はないか~

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産業革新投資機構JICと経済産業省が役員報酬とガバナンス問題を巡って対立

 

産業革新投資機構(JIC)と経済産業省が役員報酬とガバナンス問題を巡って内輪揉め

産業革新投資機構(JIC)と経産省が高額役員報酬とガバナンスをめぐり内輪もめを繰り広げています。

今回はこの問題を整理し、独自の視点も付け加えたいと思います。

まずは産業革新投資機構(JIC)について説明します。

 

 

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産業革新投資機構(JIC)とは?

産業革新投資機構(JIC)は産業革新機構(INCJ)から改組された政府系投資ファンドです。

産業革新機構(INCJ)が改組され産業革新投資機構(ICJ)が発足

 

産業革新機構(INCJ)から産業革新投資機構(JIC)に改組した理由は?

産業革新機構(INCJ)から産業革新投資機構(JIC)に改組した理由として挙げられているのは、ガバナンスの問題と、機動性の問題、それから海外から優秀な人材を集めるための報酬面での自由度の問題だったと言われています。

 

 

産業革新投資機構(JIC)の前身、産業革新機構(INCJ)は政府の意向が強かった

産業革新投資機構(JIC)の前身である産業革新機構(INCJ)の当時は、様々なスタートアップ投資案件を行ったものほぼ全滅状態。

とくに総理大臣官邸からの意向で行ったクールジャパン関連は大損大赤字で惨憺たる状況になりました。

オールニッポン・エンターテインメントワークスは出資22億円のほぼすべてが損失計上せざるをえなくなり、投資の下手糞っぷりが際立っていました。

国策会社の救済のためにプライベートエクイティファンド(PEファンド)的に投資したジャパンディスプレイなどは利益を上げましたが、それは本来の産業革新機構(INCJ)の役割からすれば傍流。

「投資の素人が政府の顔色を伺いながら国民のカネを浪費する」

それが産業革新機構(INCJ)のありかたでした。

ちなみに、産業革新機構(INCJ)のCEOは、現日産自動車取締役の志賀俊之です。なお、以前は副会長兼COOを務めていました。がちがちの日産マンです。

こういった政府におもねるような連中を放逐して、産業革新投資機構では金融畑から人材を集めることにしました。

そうして招かれたのが田中正明氏です。

 

 

 

産業革新投資機構(JIC)に招かれた田中正明氏

上記のような経緯から、今回の産業革新投資機構(JIC)では金融畑から人材を集めることにしました。

こうして集められたのが、三菱銀行のエリートコースを歩んできた田中正明氏です。

この方は東京大学 法学部卒、ミシガン大学 法科大学院法学修士(LLM)取得、2011年から2015年までモルガン・スタンレー取締役、2016年より2018年9月までPwCインターナショナル シニア・グローバル・アドバイザーなどをつとめており、金融庁の「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」、「スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会」などのメンバーも務める方。

つまるところ、企業統治を重視した法務に明るい方ということでしょうか。詳しくはありませんが、経歴からするとそんな感じにみえます。

 

 

所轄官庁は経済産業省なのに、経産省出身の人材が少ない産業革新投資機構(JIC)

とりあえず、この方がいろいろと引き連れてきました。

ひとりひとり説明するのは面倒なんで、とりあえずサイトをみてください。

産業革新投資機構(JIC)取締役メンバー一覧

全体的にいえることは、金融畑、法律畑の人が多くて、財務省系が多くて、経産省系や産業界出身が極端に少ないこと。

 

 

 

 

 

経産省は産業革新投資機構(JIC)の田中正明氏に高額報酬を約束していたが・・・

報道によると、世耕弘成経済産業相と嶋田隆経産事務次官は田中正明氏を招へいする際、田中正明氏に対しても、そして引き連れてくる人材に対しても、成功報酬としてかなり高額の報酬を約束していたということです。(一億円を超える額だということです。個人的には成功報酬でそれは低すぎる気がしますが。)

ところがどうしたわけなのか、初秋ころから両者のあいだに亀裂が入ったとのこと。

世耕弘成経済産業相と嶋田隆経産事務次官は高額報酬を認めない方針を田中正明氏に示したとのことです。

これは、世耕弘成経済産業相と嶋田隆経産事務次官が政府内部の調整に失敗したから、という見立てが多いのですが、さだかな理由はわかりません。

個人的には経産省出身人材があまりにも少なすぎることにムカついたからじゃないかと疑ってますが、それは違いますでしょうか。

とりあえず、そんな感じで両者の亀裂は広がっていきました。

 

 

 

嶋田隆計算事務次官が産業革新投資機構(JIC)の田中正明CEOに示した額は・・・

嶋田隆計算事務次官が産業革新投資機構(JIC)の田中正明CEOに示した報酬は、当初は最大1億2000万程度と説明していたとのこと。

ところが、政府内からあまりにも高額だという批判が沸き起こり、再度報酬を提示したときにはGPIF理事長などと同じく3000万円程度になったとのことです。(日経新聞2018年12月5日7面)

個人的には運用報酬1億2000万円でも相当低いと思うのですが、3000万円でろくな人材集まらないように思うのですが、政府としては国民に説明できない高額報酬はダメという話のようです。

参院選挙もありますし、地方選挙もありますし、噂では衆院も同時解散で選挙するかもと言われています。

この時期に格差を見せつけるようなことはしたくない、という官邸側の意向が働いたのかもしれません。

 

 

 

 

経済産業省は産業革新投資機構(JIC)の孫会社を使った投資にも難色

なお、経済産業省は産業革新投資機構(JIC)による孫会社を使ったファンド運営にも難色を示しているとのことです。

これは投資会社がよくやる手段なのですが、これをやると

・孫ファンド、孫会社での運用で何をやっているか見えにくくなる

・報酬も見えにくくなる

・損失も見えにくくなる

というメリット・デメリットがあるわけです。

経産省としてはカネを出しているのに、経営の実体が見えない、損失が発生したらツメられるのは自分たちなのにそれは困る・・・という意見が増えた模様。

しかも経産省出身の人材が産業革新投資機構(JIC)に中核にほとんどいないから情報が自分たちに来ない可能性がある。(いや、情報が漏れるのもガバナンス上問題ですが。)

とりあえず、そんなわけで経産省はこの孫ファンドを使った開示問題もどうにかするよう圧力をかけているのではないか、と報じられています。

 

 

 

 

経産省は産業革新投資機構(JIC)に口出ししたい

また経産省は、産業革新投資機構(JIC)に対し自分たちの意に沿ったところに投資をしてもらいたい模様です。

これに対し産業革新投資機構(JIC)としては所有と経営の分離を頑なに主張。

そりゃそうですね、現在の産業革新投資機構(JIC)は法曹や会計、金融畑の人が出身ですから、そういう価値観が優れていると思っている人たちだらけです。

日本版スチュワードシップコードの作成に参加した田中正明氏としても、自論を曲げるような介入には断固反対せねばなりません。

ただ、経産省としても官邸に説明できないことは困る、財務省に説明できないことは困る、国会で説明できないことは困るわけです。

ここらへんにガバナンス上の非常に大きな問題があると思います。

 

 

経産省は産業革新投資機構(JIC)への資金供給を断つ模様

経済産業省は産業革新投資機構(JIC)の行動を制限するため、2019年度概算要求で出している1600億円も引っ込めるつもりだとのことです。

これをしても旧・産業革新機構時代からのカネがあるので投資はできるのですが、とりあえず、嫌がらせにはなるという判断でしょうか。

 

 

経済産業省は産業革新投資機構(JIC)田中正明CEOの解任も視野にいれているとのこと

ここにきて、最終手段として経産省は産業革新投資機構(JIC)の田中正明CEOの解任も視野に入れ始めたとのことです。

しかしこれをやると、解任手続きに数か月かかることは間違いない。

田中正明氏がつれてきた取締役が、田中正明氏の放逐を狙った取締役会を開くとは思えず、株主総会まで解任できない可能性が高い。

時間ばかり浪費することになるわけで、いろいろと乙ってます。

そもそも、一緒に取締役たち数人も辞任することが予想されますから、現在進行中のプロジェクトなども頓挫する可能性があります。

 


以下私見

 

経済産業省は産業革新投資機構(JIC)のカネで日産株を買おうとしてないか?

しかし何故にここまでこじれているのか?

なんというか、「報酬額が高額だから問題」というのはブラフで、実はもっと大きな何かがあるのではないか?

という気がしています。

その可能性として個人的に思い浮かぶのは、目下ガバナンス問題に揺れる日産自動車の行方。

産業革新機構の時代なら、間違いなく経産省は日産自動車株を産業革新機構に買い取らせようとしたでしょう。

今回も産業革新投資機構(JIC)を使って、ルノーの保有株を買い取らせたり、市場から買い付けすることで日産をルノーに吸収させないようにしようとしたのではないか・・・

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どうも、過去の人材の流れからみても、そんな気がしてしかたありません。

とりあえず、これはあくまでも妄想レベルであり、本当はどうだかわかりません。

いずれなにか、本当のところが明らかになるでしょう。

以上です。