【ドイツ】CDU党首にアンネグレート・クランプカレンバウアー氏~ミニ・メルケル誕生で右派が躍進しやすい環境に~

【ドイツ】メルケルCDU党首後任にアンネグレート・クランプカレンバウアー氏

 

ドイツ与党キリスト教民主同盟CDU党首に、「ミニメルケル」ことアンネグレート・クランプカレンバウアー氏が決定

先日の地方選大敗により、キリスト教民主同盟CDUの党首辞任に追い込まれたメルケル首相。

その後任人事を選ぶ党首選が行われ、ミニメルケルことアンネグレート・クランプカレンバウアー氏が当選しました。

アンゲラ・メルケル首相が党首辞任の意向~後任はアンネグレート・クランプカレンバウアー幹事長か~ 10月29日の記事です。

 

 

アンネグレート・クランプカレンバウアー氏がフリードリヒ・メルツ氏を決選投票を接戦で制する

CDU党首選の結果、中道路線やや右よりのアンネグレート・クランプカレンバウアー氏と、かなり右寄りのフリードリヒ・メルツ氏との決選投票へ。

決選投票を制したのはアンネグレート・クランプカレンバウアー氏でしたが、得票は51.75%にとどまり、非常に接戦だったことが伺えます。

 

 

アンネグレート・クランプカレンバウアー氏の誕生でドイツ社会民主党(SPD)との連立は維持?

ドイツ社会民主党SPDはメルツ候補の党首就任を警戒していましたから、今回のアンネグレート・クランプカレンバウアー氏の党首就任は連立維持にはよかったと思います。

しかし、逆に政党としての色はメルケルの時代から変化せず、これが野党の台頭を招く可能性が高まっています。

 

 

アンネグレート・クランプカレンバウアーCDU党首誕生で、右派「ドイツのための選択肢(AfD)」は戦いやすい展開に

今回のCDU党首選結果を一番喜んでいるのは、「ドイツのための選択肢(AfD)」でしょう。

CDUが一枚岩にまとまらずに右寄りと中道で別れています。

基本的に中道っていうのは、政治的には安定するものの、選挙になると右と左のどちらからも支持されにくく弱い。

上手く回っているときには良いのですが、景気が悪化し始めたりすると途端に負けやすいわけです。

いまのCDUはこの状況に入っています。

この状況をアンネグレート・クランプカレンバウアー氏が切り替えるには、高成長路線に復帰するか、もしくは右寄りに舵を切るしかありませんが、そのどちらも難しい状況です。

 

 

 

アンネグレート・クランプカレンバウアーCDU党首の誕生でドイツは右傾化する可能性

つまり、アンネグレート・クランプカレンバウアー氏の誕生で政権交代リスクは高まっており、「ドイツのための選択肢(AfD)」が躍進する可能性が高まっている状況です。

移民・難民問題での政策ミスが大きな社会的混乱を生んでおり、これに対してはアンネグレート・クランプカレンバウアー氏は厳しく対処すると表明しています。

今後はアンネグレート・クランプカレンバウアー氏自身もかなり右寄りの政策を打ち出さねばならないはずで、ドイツは全体的に右寄りな体制になっていくはずです。

 

以上。