南アのエスコム(ESKOM)問題、政府が50億ドル支援も債務引き受けは行われず
エスコム(ESKOM)に南アフリカ政府が50億ドル支援
先日お伝えした南アフリカの大手電力会社エスコムによる大規模停電問題に進展(?)があります。
南アフリカ国営電力会社エスコム(ESKOM)で4日連続の停電発生~3.3兆円の債務を抱えて実質破綻状態~
どうやら、南アフリカ政府はエスコム(ESKOM)に対して690億ランド(50億ドル)の金融支援を行うとのこと。
ただし、以前の記事にも書いた通り、エスコム(ESKOM)は3.3兆円レベルの債務を抱えています。
50億ドル、つまり5500億円程度の金融支援が行われたとしても、焼け石に水です。
南アフリカはご存知の通り金利が高いですから、50億なんてあっというまに消えるでしょう。
エスコム(ESKOM)に3分割案が浮上するも、計画倒産の匂いがぷんぷんして・・・
そもそもにおいて、エスコム(ESKOM)の問題は金融というよりも労働コストなどを含むトータルのコスト問題です。
エスコム(ESKOM)は雇用調整弁としてこれまで使われてきた結果、やたらとコストがかかりすぎていると言われています。
(もちろんグプタ家を中心とした汚職問題も関係していますが、フロー面での赤字をみれば、雇用が問題なのは明らかでしょう)
そこに踏み込まないとどうしようもないわけですが、エスコム(ESKOM)3分割案はなかなか進んでいません。
エスコム(ESKOM)の事業を儲かる送電中心と、その他にわけようというものですが、その他にわけられたあとにどうなるかは、まぁ火を見るより明らかなわけで、誰もそれを推し進めようとはしません。
エスコム(ESKOM)の労組COSATU
エスコム(ESKOM)の問題は、つまるところ雇用の問題。
失業率の高い南アフリカですから、エスコム(ESKOM)をやめてもあたらしい職がみつからない。
当然、労組COSATUは全国ストライキを計画したりして妨害に出ています。
今回の大規模停電も、そうした状況下で起きたものであり、本当に設備不具合だったのか、それともなんらかのサボタージュだったのか、そこらへんはよくわかりません。
エスコム(ESKOM)問題がランド相場に影響
ここもと強含んできた南アフリカのランド相場ですが、エスコム(ESKOM)問題を受けて急速に安くなりました。
一応、トレンドラインを守る形で跳ね返される動きとなっていますが、今後の動向にも注意が必要かもしれません。
以上。