日本政策投資銀行(DBJ)と産業革新機構(INCJ)はゾンビ企業延命ファンドか?~東芝メモリ再上場に向け3000億円出資へ~
東芝メモリの再上場をにらみ、日本政策投資銀行(DBJ)と産業革新機構(INCJ)が3000億円出資へ
各報道機関が報じたところによりますと、東芝メモリが今秋にも再上場する予定となったそうです。
この東芝メモリの再上場に向け、資本関係の整理を実施する予定とのことです。
具体的には、現在、優先株で東芝メモリに出資しているアップルやデル、シーゲートテクノロジーズ、キングストン・テクノロジーなどIT企業4社が保有する優先株4000億円ぶんを買い戻したいとのこと。
東芝メモリとこれら企業との間には取引関係があるため、資本を持ち合った状態だと、ここもと厳しくなった東証の上場審査を通らない可能性が指摘されているとのことです。
このため、優先株を買い戻すための費用4000億円ぶんの資金調達が必要となっており、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友信託銀行など主力行も借り換えに応じる意向を示しているとのこと。
さらに、日本政策投資銀行(DBJ)と産業革新機構(INCJ)も出資する方向で調整しているとのことです。
なぜ日本政策投資銀行(DBJ)と産業革新機構(INCJ)が東芝メモリに出資するのか?
今回、なぜ銀行団からのシンジケートローンだけでなく、日本政策投資銀行(DBJ)と産業革新機構(INCJ)が噛むことになったのか?
この点については、単純にリスクの分散だろうと思われます。
要するに銀行団としてリスクを減らしたいという意向があったということ。
さらに日本政策投資銀行(DBJ)と産業革新機構(INCJ)としては、リスクをとることでIPO時にある程度回収すれば問題ない、という判断かと思われます。
ただ、リスクは多くの人が見ているよりも高いのではないか?と個人的にはみています。
日本政策投資銀行(DBJ)と産業革新機構(INCJ)による東芝再上場に向けた出資に死角はないのか?
ご存知の通り東芝メモリの扱っているフラッシュメモリ価格は現在暴落中です。
最高値からは半値以下でしょうか。
とにかく、同業他社含めすごい勢いで歩留まり改善が進んでおり、そこに需要の落ち込み(インテルによるCPUのプロセスルール進歩失敗などの影響)もあり、非常に市況的によろしくない状況です。
日々、市況の悪化度合いが進む状況であり、東芝メモリが再上場を予定している秋には果たしてどうなっているか?といった状況。
IPOである程度EXITできるとはいえ、ルネサスの時と同様に一定量はその後も保有し続けることになるでしょうし、それ以前に、IPO時にすら市況がどうなっているか怪しい状況となっています。
どうもなにか臭います。
米国からの圧力で東芝メモリの再上場早期実現?~日本政策投資銀行(DBJ)と産業革新機構(INCJ)はカモにされるかも?
個人的には今回の件、非常に臭います。
本当は米国からの要請で東芝メモリ再上場を急いでいるだけではないか?とすら感じます。
なぜいきなり、こんな唐突にIPOの話が出るのか。
つい先日、買収されたばかりで再上場・・・あまりにも早すぎます。
市況の悪化でリスクを取り切れなくなった企業やファンドが、米政府に泣きついて早く上場させるように日本側をけしかけているのではないか、とすら感じます。
思えば、東芝によるウェスチングハウス買収だって、アメリカからの圧力を受けた経産省案件だったことがのちに判明しています。
当時それを主導した方は、じつは二名いると言われています。
片方は週刊新潮などに叩かれまくった某氏、もうひとりは、現在は日産自動車に天下った某氏です。
ちょうどその天下りのあとすぐに、ゴーン氏が失脚と相成りました。
いろいろとあるのではないか、という声はありますが、とりあえず今回はそちらは置いておきましょう。
重要なのは日本政策投資銀行(DBJ)と産業革新機構(INCJ)が、東芝再上場をダシにしてまたぞろ食い物にされそうだということ。
民間ではリスクを負いきれないから日本政策投資銀行(DBJ)と産業革新機構(INCJ)のカネひっぱればいいや、という安易なやり方に今回も流れていること。
そもそも産業革新機構(INCJ)によるゾンビ救済は問題だったとして産業革新投資機構(JIC)を立ち上げたはずなのに、なぜそっちを使わずに産業革新機構(INCJ)を利用するのか?
経産省の言いなりになる産業革新機構(INCJ)のほうが扱いやすい、ということではないか。
そんな感じがします。
とりあえず、この案件、上手くいったらうまくいったで良いですが、すべては風向き次第といった感じ。
国民は注視しておいた方がいいと思います。
以上。