南アフリカ国営電力会社エスコム(ESKOM)で4日連続の停電発生~3.3兆円の債務を抱えて実質破綻状態~
南アフリカ国営電力会社エスコム(ESKOM)で4日連続の大停電発生
南アフリカ国営電力会社エスコム(ESKOM)で大停電が発生しています。
9日から始まった停電は4日経ってもおさまらず、同国の産業に多大な影響を与えています。
現在、南アフリカのある南半球は夏真っ盛り。
電力消費量も高まっており、発電設備にも送電網にも大きな負荷がかかっています。
3兆3500億円超の債務を抱え、実質破綻状態の南アフリカ国営電力会社エスコム(ESKOM)
南アフリカ国営電力会社エスコム(ESKOM)は、実質的に破綻状態に置かれています。
国からは毎年のように資金を注入されていますが、湯水のように流れ去っているのが現状です。
エスコム(ESKOM)は約3.35兆円の負債を抱えており、にっちもさっちもいかない状況です。
このためエスコム(ESKOM)は、とりま4000億ランド超の債務のうち1000億ランドを政府に負担するように言っています。
政府としては、いきなり財政赤字が増加することになりますので、南アフリカ政府としては安易に認められない状況となっています。
Load-shedding: More power cuts ahead as Eskom announces stage 3
5月8日に南アフリカ総選挙へ~エスコム(ESKOM)問題はどうなるか
とりあえず、南アフリカの今年最大のイベントと言えば、南アフリカ総選挙だと思われます。
現在、シリル・ラマポーザ大統領が率いるアフリカ民族会議ANCが主流ですが、近年、黒人至上主義のような民族意識を高めたジュリアス・マレマ率いるEFFが台頭しています。
かりにエスコム(ESKOM)の処理を下手に行ってしまうと、選挙に影響が出かねない状況で、できることなら処理は後回しにしたいというのが本音だと思われます。
エスコム(ESKOM)は労組が強く、人員カットに抵抗
エスコム(ESKOM)は労働者が非常に多く、強力であるとのことです。
このため、なかなか改革が進まなかったと言われています。
民営化を求める声もあったのですが、労組の強硬な態度によって撤回。
また、発送電分離、上下分割する案もあったのですが、それもダメ。
非常に苦しい状況におかれています。
以上。
エスコム(ESKOM)の経営不振は南アフリカの産業の足枷に
エスコム(ESKOM)による停電の頻発は、まちがいなく南アフリカの産業の足枷になっています。
鉱山でも石油精製でも、エネルギーとして電力をつかっています。
それがエスコム(ESKOM)によって中断させられてしまっているわけです。
とりあえず総選挙に向けてまだまだ続きます。
エスコム(ESKOM)がどういう方向になるか、楽しんでいきましょう。
以上です。