楽天の携帯電話参入で注目される『仮想化ネットワーク』~株式市場への影響は?

仮想化ネットワークによる株式市場への影響は?

 

楽天が携帯電話参入するにあたり、『仮想化ネットワーク』を利用してコスト削減していくと伝えられています。

この件に関し、質問箱に興味深い質問をいただきました。

https://twitter.com/chu_sotu/status/1098444397794840577

楽天が通信分野で完全仮想化ネットワークを使うことで、MLCCなど電子デバイスメーカー全般に悪影響を及ぼすか?

というものです。

いつも質問箱のご利用ありがとうございます。

いろいろ興味深い質問で助かります。

 

楽天の仮想化ネットワーク利用で電子部品の利用は減るか?

先に結論から書いておくと、MLCCに関しては、仮想化ネットワーク設備の仕様がわからないため何とも言えませんが、基本的にはスイッチングハブやルーターなどで減少する一方、サーバーでは利用が増えるため、トータルでは増減は何とも言えない部分があります。

コネクタなどには間違いなく影響があるでしょう。

また構内回線ケーブルなどの需要にも影響すると思います。

 

 

仮想化ネットワークってそもそもなに?

仮想化ネットワークってのは、簡単にいってしまえば、物理的に独立していたネットワーク機器(スイッチングハブ、ルーター、ファイアウォール機器、ロードバランサ―など)を汎用サーバーで代替してしまおうというものです。

これと同じ発想は昔からありまして、90年代の終わりころにファイアウォールとルーター、プロクシサーバやらを一緒くたにしたマシンなんかを組んでいる人もいました。

管理は楽なんですが、いかんせん当時はマシンの性能が弱すぎてとてもとても使い物にならないものでした。

最近はマシン性能が有り余っているので、利用可能になってきたというところでしょう。

 

仮想化ネットワークのメリットは?

単純にいうと、仮想化ネットワークのメリットは以下のようになります。

  1. 管理が楽・・・更新が頻繁に行えるし、大規模な修正もちゃちゃっと行えます。セキュリティ上の問題も起きにくい。
  2. リソースの有効活用ができる・・・使われていないリソースって実は多かったりします。仮想化ネットワークにすると、そういう無駄を減らせます。※ただし注意が必要、後程書きます。
  3. 物理的なトラブルから解放・・・ネットワーク設備の運用にちょっとでも触れたことがあれば、ファンのモーターの厄介さは理解できると思います。こういった問題は仮想化ネットワークではおきません。

このうち、2には注意が必要です。

リソースの有効活用ってのは、これはあくまでも一般的な企業などの場合です。

楽天が参入する通信インフラのようなミッションクリティカルな環境では冗長性を持たせるのが普通ですので、リソースは常に余り気味に運用されることでしょう。

まぁ、トラフィックが多い時だけ他のクラウドサービスからリソースを貰ってくるなどのシステムが構築できれば、もしかしたら非常に有益かもしれませんが、さすがにそれはセキュリティ的に怖くてできないんじゃないかと思いますし・・・。

 

 

仮想化ネットワークのデメリット

メリットもあればデメリットもあるのがふつーです。

当然、仮想化ネットワークにもデメリットはあります。

ハードで処理するより重たい・・・そりゃそうです。汎用サーバーで処理するわけですから、そのぶん専用のルーターなどに比べれば遥かに重たい。

障害が発生した時の被害が大きくなりがち・・・一つのサーバーが対応する範囲が広いため、被害は大きくなりがちと言われます。ただ、これは回避手段はあります。障害を起こさなければいいだけですから。

冗長化にコストがかかる・・・上の回避手段ってのは、つまるところ冗長化です。余裕を持たせた造りにしておけばいいということ。ただし、そうすればもちろん、コストは高くなります。

 

 

仮想化ネットワークはミッションクリティカルな環境のほうが実は向いている?

仮想化ネットワークは基本的に、ある程度の大きさのある企業が、リソースの無駄を減らすために利用するのに向いていると言われてきました。

しかしこうやって考えていくと、ある意味、仮想化ネットワークってのは、障害を起こさないことを絶対的に重要視する環境のほうが、導入意義が高いのではないか?と思えてきます。

楽天はテックマヒンドラと組んでいるようですが、世界初の導入事例となるもよう。

かなり思い切ったことをするなぁと思いますが、個人的には悪くない選択じゃないかと思います。

技術の本質が見えているように思います。

 

 

仮想化ネットワークでダメになる株式銘柄

で、肝心の仮想化ネットワークでダメになる株式銘柄がどこになるのかについて書いていませんでした。

個人的にはこれ、NECや富士通、古河電工や住友電工なんかの、いままでコネで採用されてました系のハード重視のネットワーク機器はオワコン化するんじゃないかとみています。

ハード重視じゃなくて、ソフト重視に切り替えてきたシスコとかは大丈夫でしょうけど。

このあたり、技術の未来がみえている経営層との違いがよくわかります。

半導体の世界でも日の丸企業はダメダメになりましたが、ネットワーク分野でも、かつて電電公社のおこぼれで潤ってきた企業が軒並み没落していっています。

いろいろと興味深いですね。

とりあえず、以上です。