中国はセルラーV2Xに突き進む~ファーウェイ発表資料より読み解く
中国自動車各社がセルラーV2Xの商用化ロードマップを発表
車と車、車と信号、車と路面などのあいだ通信を行い制御する「V2X」技術
この商用化展開のため、中国の自動車メーカー各社が共同でロードマップを発表しました。
⇒5Gで注目の『車車間・路車間通信( V2X )』とは何か?~V2V、V2N、V2I、V2P~
13 Auto Makers Jointly Published Commercial Roadmap: Launching Mass Production C-V2X Car From 2020
中国ではV2Xにセルラー網を利用へ
このロードマップでは、V2Xの規格として明確にセルラー網を利用することを定義。
欧州では無線LANを拡張して利用するか、それともセルラー網を利用するかで揉めていますが、
中国は、というかファーウェイはTDDで非常に強みを持っていると言われています。
さらには、中国はスタンドアロン運用(SA運用)が広まるとみられ、そうなると極めて低遅延で高速な、
URLLC環境を世界で最初に導入することが可能になるとされています。
中国はこの分野で最先端の環境をつくり、他国に先んじて5Gの低遅延を利用したサービスを開発
他国に売り込んでいくビジネスモデルを考えているものと思われます。
もはや、W-LANの拡張を使う選択肢なんてなかったのだと思われ、いっきに中国はV2Xでも覇者になろうとしています。
中国のセルラーV2Xのスケジュール
とりあえず、中国におけるセルラーV2Xのスケジュールとしては、2020年下半期~2021年下半期にかけてセルラーV2Xの量産をするということだけが、ロードマップには示されています。
その後に、車両の浸透度をみながら実際の展開を考えていく、ということのもよう。
中国にしては非常に現実的な解を示しているようですが、そこは中国ですから、景気が落ち込んでいけば真っ先にこういった先進プロジェクトに資金を投入してくると思われます。
そうした意味からも、個人的には不景気になっても政策的下支え効果がありうるという点で、電子部品セクターにはポジティブな要素と思われます。
ファーウェイは自社で通信部を作っていませんし、電子部品の多くを日本から購入しています。
アップルに代わってファーフェイがイノベーションの中心として、世界の発展を主導していく展開も十分にありえます。
とりあえず、そういったことを頭の隅にでも入れながら、投資を行っていくと良いのではないかと思われます。
以上です。