ファーウェイのAIチップAscendを積んだサーバー群『Huawei Atlas 200,300,500,800』について
ファーウェイのAtlasインテリジェントコンピューティングプラットフォームがバカ売れ
Huawei Atlas Intelligent Computing PlatformはファーウェイのAIプロセッサー、Ascendシリーズを積んだサーバーです。
これがべらぼうに売れているようです。
データを引用させていただきます。
会社 | 4Q18
収入 |
第4四半期の市場シェア(%) | 4Q17
収入 |
第4四半期の市場シェア(%) | 4Q18〜4Q17成長率(%) |
Dell EMC | 4,426,376,116 | 20.2 | 3,606,976,178 | 19.4 | 22.7 |
HPE | 3,876,819,483 | 17.7 | 3,578,005,770 | 19.3 | 8.4 |
ファーウェイ | 1,815,071,726 | 8.3 | 1,244,382,075 | 6.7 | 45.9 |
Inspur Electronics | 1,801,622,141 | 8.2 | 1,260,671,411 | 6.8 | 42.9 |
IBM | 1,783,691,221 | 8.2 | 2,623,501,533 | 14.1 | -32.0 |
その他 | 8,158,910,239 | 37.3 | 6,243,556,262 | 33.6 | 30.7 |
合計 | 21,862,491,037 | 100.0 | 18,556,994,228 | 100.0 | 17.8 |
ガートナー調べ
前年比45.9%増とか、ほんと凄い伸びですね。
なお、リンク先にはもうひとつ、ユニットベースの販売数が出ているのですが、こちらによると0.9%増です。
つまり、ファーウェイの製品は単価を物凄く引き上げることに成功しているということ。
同社の製品が広く受け入れられているとともに、その性能にも評価が集まっているということでしょう。
この背景にあるのが、昨年秋冬に発表されたAtlasシリーズにあると思われます。
以下にファーウェイ日本のサイトから転用させていただきます。
Huawei Atlas 200、Atlas300、Atlas500、Atlas800
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Atlas 200 AIアクセラレーションモジュール: クレジットカードの半分のサイズのフォームファクターに搭載され、16チャネルのリアルタイムHDビデオ分析に対応します。Atlas 200はカメラやドローンなどのデバイス上で展開可能で、消費電力はわずか約10Wです。
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Atlas 300 AIアクセラレーションカード: ハーフハイト/ハーフレングスのPCIe標準カードのフォームファクターに搭載され、データセンターやエッジサーバー向けに設計されています。複数のデータ精度に対応し、1枚のカードでINT8(8-bit整数)オペレーションにおいて最大64 TOPS(trillion operations per second)を実現します。このカードは、ディープラーニングの推論において卓越したコンピューティング能力を提供します。
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Atlas 500 AIエッジステーション: 業界をリードするエッジ製品として、AI処理能力を統合し、セットトップボックスと同サイズで16チャネルのHDビデオ処理をサポートし、市販されている既存製品より4倍高いパフォーマンスを実現します。交通、看護施設、無人店舗、スマート製造などの幅広い用途に最適です。
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Atlas 800 AIアプライアンス: 標準のフレームワークとプログラミング環境に基づいて、最適化されたAI環境とプリインストールした下層ソフトウェアライブラリを提供し、開梱から2時間で利用が可能です。さらに、クラスター管理とジョブスケジューリング用の管理ソフトウェアやシステムレベルのパフォーマンス監視機能を統合することで、企業のAIアプリケーション導入時に求められる要件を大幅に緩和します。
・・・これ読んで意味わかりますか?
個人的には全く意味がわかりませんw
まぁ、とりあえず「Huawei Ascend」っていうAI向けプロセッサがあるんですが
ファーウェイが自社開発のAscend 910を搭載したサーバーを販売へ~Nvidia、Intelなどに対抗へ
こいつを積んだサーバーがAtlasシリーズということです。
これが昨年10月ごろに発表されました。
で、この凄まじい売れ行きなわけですね。
ファーウェイのAtlasシリーズは画像解析用途に多く利用されている可能性?
このAtlasシリーズ、まぁなんとなくですが、画像解析技術に使いやすいシステムのように見受けられます。
とくにAI200とAI500はもろにそれに特化させているのが特徴ですね。
こういった製品が、中国国内では非常に多く出荷されているそうです。
無人コンビニやら、天網といったような監視システムにまで。
そしてこの天網のようなシステムは、南米諸国やアフリカなどにも最近は輸出されているのだとか。
先日、エクアドルの街頭監視システムが中国の監視システムとそっくりだとニュースになっていましたが、それは当然、中国がそういうシステムを安く大量に売りさばいているからです。
もちろん、街頭監視用だけでなく、工場の生産管理などにも使われているそうで、この分野ではファーウェイはトップを狙っていっています。
というか、すでに最大手クラスです。
5G通信機器とか、スマホだけじゃありません。
産業用基盤にまでファーウェイは入り込んでいます。
ファーウェイのAtlasも規制されるのか?
ぶっちゃけた話、ファーウェイの5G通信網だけ排除しても、NB-IoT、パワーコンディショナーなど多様な製品で日本企業とも密接な関係を築いてきたのがファーウェイです。
村田製作所はIoT向け製品を共同開発していますし、
愛知時計機械だったかな?水道向けIoT製品のを共同開発していたはずです。
他にもいろいろあるでしょう。
先日は太陽光発電向けパワーコンディショナーも国内一割程度がファーウェイだと報じられていました。
そして、それらのIoT端末と親和性の高いプラットフォームとしてAtlasシリーズが置かれている・・・ということなのだと思われます。
自分が事業戦略を練るとしたら、そういった糸口から開拓します。
たぶん、そういうつもりでしょう。
はっきりいって、ここまで食い込まれている状況で、果たして5G網だけダメよといって意味があるのか?という疑問があります。
やるなら全部、サーバーもIoTもファーウェイを排除させるということになるでしょうが、果たしてその覚悟が日本政府にあるのかどうか。
とりあえず、そんな感じのことを考えています。
以上です。