カナダ産豚肉から塩酸ラクトパミン検出~中国がフリゴ・ロイヤルからの豚肉輸入を停止へ

カナダ産豚肉から塩酸ラクトパミン検出~中国がフリゴ・ロイヤルからの豚肉輸入を停止へ

 

カナダのフリゴ・ロイヤルの豚肉から塩酸ラクトパミン検出

中国はカナダの食肉業者、フリゴ・ロイヤルからの豚肉輸入を停止すると発表しました。

これは、中国が禁止している飼料添加物、塩酸ラクトパミンが豚肉から検出されたことを受けた措置とのことです。

これで、中国が輸入禁止を発表したカナダ業者は4月にオリメルおよびドラモンド・エクスポートが摘発されたのに次いで、3社目となります。

 

 

ファーウェイCFO逮捕を受けて食肉輸入検査を強化した結果、塩酸ラクトパミンが検出

なぜ今年に入り、中国が輸入する豚肉から立て続けに塩酸ラクトパミンが検出されているのでしょうか。

この背景には、米中貿易摩擦でもたびたび取り上げられる通信機器大手・ファーウェイの問題が横たわっています。

 

カナダ政府はアメリカ司法省の要請を受けて、ファーウェイの孟晩舟CFOを空港のトランジットで逮捕しました。

華為技術(ファーウェイ/Huawei)の孟晩舟CFO(英語名Cathy Meng)、カナダで拘束される~対イラン制裁に違反か?

これは、米国が科している対イラン制裁に違反していたことを理由にしたものだそうですが、

対イラン制裁法はあくまでも米国の法律であり、中国人であるファーウェイCFOがそれに従う義務があるわけないですし、

また、米司法省の要請でカナダの当局が動くというのもおかしな話です。

さらには空港のトランジットで逮捕するというのも異例中の異例・・・

 

そんなわけで、中国政府も猛反発をしており、カナダに対してCFOの即時釈放を求めて各種の制裁を科しはじめていました。

その一環として導入されたのが、カナダからのキャノーラ(菜種)や食肉輸入への検査です。

カナダにとってこれら商品は中国への主要な輸出品であり、中国としてはこうした製品への検査を強化することで圧力をかけられる、とみたのだと思われます。

 

ぶっちゃけた話、検査を強化したらみつかったということは、ずっと以前から塩酸ラクトパミンは混入していたのだと思いますが・・・

 

 

 

飼料添加物、塩酸ラクトパミンとは?

飼料添加物「塩酸ラクトパミン」とはどういったものでしょうか。

厚生労働省の解説などによりますと、塩酸ラクトパミン (Ractopamine Hydrochloride)はフェネタノールアミンの塩でβアドレナリン・アゴニスト(βアドレナリン受容体作動薬)として機能するとのこと。

豚の出荷前3~4週間ほど5~10ppmを飼料に混ぜることで、飼料の栄養成分をより効率よく取り入れることができるようになり、赤身が多くなり、食肉の生産性が向上するほあk、窒素排泄も減少、糞の量も減るそうです。

 

なお、この塩酸ラクトパミンを摂取した豚には行動異常が起きやすいという報告もあるそうで

(そりゃアドレナリン受容体刺激してますし・・・)

残留した塩酸ラクトパミンの人体への影響を懸念して、EU、台湾、中国では使用も輸入も禁止。

日本でも輸入時に残留基準値が設定されている物質となっています。

 

 

ぶっちゃけた話、塩酸ラクトパミンがどれだけ危険なのかはわかりませんが、こんなところにも米中貿易戦争の影が及んできているという事実。

食肉関連の業者からしたら、とんだとばっちりという感じだと思います。