グーグルの自動運転開発部門『ウェイモ(Waymo)』~ルノー、日産、ジャガーランドローバーなどと提携
グーグルの自動運転部門ウェイモ(Waymo)、ルノー日産と提携
グーグルの親会社アルファベットの自動運転部門ウェイモ(Waymo)が、ルノー日産とフランス、日本における自動運転に関する市場調査、法律面での調査、安全問題に関する研究などで提携するとのことです。
先んじてウェイモ(Waymo)とルノー日産の間では車内インフォテインメント分野での提携が行われており、今回の提携はそれを深化させる方針といった意味がありそうです。
今回の提携では自動運転車の開発、生産協力などの文言は入っていないようですが、間違いなくそういった方向でも検討が始まっているものと思われます。
このウェイモとルノー日産との提携で、自動運転開発における陣取り合戦は大まかに勢力が分かれることになりました。
ウェイモ(Waymo)はルノー、日産、三菱、ジャガーランドローバー、タタ、FCAと提携?
ウェイモ(Waymo)は今回、ルノー、日産、三菱との提携深化を発表しましたが、先んじてジャガーランドローバーとは自動運転タクシーの開発で提携しています。
なお、ジャガーランドローバーの親会社はインドのタタ財閥のタタモーターです。
また、ルノー日産はさきごろFCAとの提携話も持ち上がっていました。
もしこれが実現するようですと、FCAもウェイモ(Waymo)陣営に入ることになるでしょう。
FCAは自動運転ベンチャーのオーロラ社との提携は発表していますが、まだ旗色を明確にしていません。
たぶん、どこかと合併なり統合なりして、その相手が採用しているシステムに乗り込むつもりだと思われます。
自動運転ウェイモ(Waymo)、配車大手リフトと提携へ
なおウェイモ(Waymo)ですが、5月7日に配車大手リフトとの提携を発表しています。
リフトの配車サービスにウェイモ(Waymo)の自動運転車を提供して実証実験するという内容。
今後、リフトが本格的にウェイモ(Waymo)と組むのか、それとも他の企業とも提携するのかはわかりませんが、走行距離が増えれば増えるほどデータ蓄積でAIが鍛えられる自動運転分野の開発。
今後もこうした動きが増えていきそうです。
ウェイモ(Waymo)はグーグル親会社アルファベットの傘下企業
いまさらですが、ウェイモ(Waymo)はグーグル系の企業です。
地図情報などではグーグルマップが使われるでしょうし、車載情報端末などでもグーグルが使われるはず。
グーグルはAIシステムや半導体の開発などでも独自色を出しており、この分野ではすべて自前でそろえるつもりのようにみえます。
ほかの陣営は、地図情報はヒア、半導体はNVIDIAやインテル(モービルアイ)に依存といった感じでしょう。
グーグルはすべてを自前で調達する・・・そこが強みでもあり、弱みにもなりそうです。
ウェイモ(Waymo)に対抗する陣営・・・GMクルーズ
ウェイモ(Waymo)に対抗する筆頭格はGMクルーズでしょう。
自動運転の走行距離ランキングでは、1位がウェイモ(Waymo)で断トツですが、2位はGMクルーズとなっています。
ソフトバンクも出資するGMクルーズですが、先ごろホンダも参加することを表明しました。
勢力的には十分な大きさとなっています。
ウェイモ(Waymo)に対抗する陣営・・・トヨタ(モネテクノロジーズ)
ウェイモ(Waymo)に対抗する日本勢としては、トヨタとソフトバンクが立ち上げたモネ・テクノロジーズが挙げられます。
具体的な成果はまだ出ていませんが、自動運転だけでなく、モビリティサービス、データ解析など全般を行っていく模様です。
なお、自動運転車の走行距離ランクではトヨタまだ9位とのこと。
この問題を解消するために、ウーバーとの提携を発表しています。
(ウーバーにトヨタの自動運転車を利用させてデータをとるつもりでしょう。ただ問題は、ウーバーにとってはあくまでも数ある提携先の一社でしかないということです。)
なお、モネテクノロジーズですが、ソフトバンクのほうが出資比率がやや多めになっています。
今後、トヨタグループ内外からの出資を引っ張りまくることが、ソフトバンクには期待されています。
ウェイモ(Waymo)に対抗する陣営・・・アルゴAI
ウェイモ(Waymo)に対抗する陣営としては、フォードが採用するアルゴAI陣営も挙げられます。
VWは以前はオーロラと提携していましたが、先ごろ提携を解消。
報道によると、VWはフォードと組んでアルゴAIに出資、参加するのではないかとのことです。
(オーロラはテスラとグーグル出身の技術者が創業した自動運転ベンチャーです)
そうなると地図情報ではドイツ勢が採用するヒア社との提携が進むことになりそうです。
ウェイモ(Waymo)に対抗する陣営・・・モービルアイ(インテル)
ウェイモ(Waymo)に対抗する陣営としては、インテルが買収したモービルアイも挙げられます。
BMWやVWと提携しており、とくにVWとは22年にロボタクシーを商用化する方針で開発中といわれています。
マグナ、ヴァレオ、デルファイなどの自動車部品大手とも提携関係を築いており、有力なポジションにあるとみられています。
地図情報などでは、たぶんヒアとの提携に向かうのでしょう。
もはやこの地図業界、ヒア、グーグル、トムトムしか残っておらず、トムトムはほとんど死に体ですのでヒアとグーグルのみが生き残っている状態です。
ウェイモ(Waymo)に対抗する陣営・・・オーロラ
オーロラは以前はVWと提携していましたが、今はVWと切れてFCAおよび現代・起亜自動車と提携しています。
しかしFCAは先に書いた通り、どうもルノー日産に近づいているようにみえます。
オーロラの陣営はかなり追い詰められているのではないか、と個人的にはみています。
とりあえず、数ある自動運転開発ですが、かなり大まかに分かれ始めています。
今後は大手三陣営程度にまとまるのではないか、と個人的には予想しています。
ここには書きませんでしたが、中国でも独自に開発が進んでいるようです。
中国は政治的要因でどこが主導するかよくわからない状況になっていますが、向こう一年、二年のうちに見えてくるはずです。
そのあたりも含めて、今後の動向には注目でしょう。
以上です。