華為技術(ファーウェイ/Huawei)の孟晩舟CFO(英語名Cathy Meng)、カナダで拘束される~対イラン制裁に違反か?
華為技術(ファーウェイ/Huawei)の孟晩舟CFOが、カナダ当局に逮捕されたとのことです。
華為技術(ファーウェイ/Huawei)の孟晩舟CFOは今月1日、カナダのバンクーバーにて同国当局によって逮捕されたと、カナダのグローブ &メール紙が5日に報じています。
容疑については不明ながら、
「カナダ当局が以前から調査していた対イラン制裁違反の可能性についてではないか」
と一部で報道されています。
Huawei CFO Arrested in Canada as U.S. Seeks Her Extradition
米政府、Huawei(ファーウェイ/華為技術)孟晩舟CFOの身柄送還を求める
米政府はさっそく、孟晩舟CFOの身柄引き渡しを求めているとのことです。
容疑事実によっては米国によるHuawei(ファーウェイ)への制裁強化にもつながる可能性があります。
また今回の逮捕が、米国の要請によるものである可能性もあります。
もしそうであれば、ライトハイザーと劉鶴で進める予定となっている米中貿易交渉の行方にも影響してくるわけで、いろいろと大きい事件といえます。
ファーウェイ(Huawei/華為技術)は孟晩舟CFOの「不正認識はない」と表明
ファーウェイ(Huawei/華為技術)は声明で、孟晩舟CFOに関して「不正認識はない」と表明。
駐カナダ中国大使館は「重大な人権侵害」としてカナダ当局を批判しています。
中国外交部としては、これが一企業の問題ではなく、政治問題化、外交問題化することを前提に発言しているようにみえます。
ファーウェイ(Huawei/華為技術)の孟晩舟(英語名Cathy Meng)とは?
孟晩舟はファーウェイ(Huawei/華為技術)のCFO(最高財務責任者)で副会長を務める女性とのことです。
孟晩舟の英語名はCathy Meng。
任正非CEOの娘とのことですが、父親も娘もかなり秘密めいたかたたちで具体的にどういった経歴なのかは細かい部分が不明確です。
孟晩舟は華中科学技術大学で修士号を取得後1993年にHuaweiに入社、香港のHuaweiの国際会計学部所長、会計管理部長を務めたのち、HuaweiのCFOを務めているとのこと。
孟晩舟CFO逮捕でファーウェイ(Huawei/華為技術)はZTEの二の舞に?
今回の孟晩舟CFO逮捕はファーウェイ(Huawei/華為技術)を狙ったものであることは確かなようです。
となれば、ZTEショックの二の舞はあるかもしれません。
ZTEも対イラン制裁違反を口実に米国企業との取引を停止されました。
そのため、クアルコムなどからのプロセッサなど電子部品調達に影響がでて操業停止状態に追い込まれ、最終的には和解することになったものの、和解条件の金額が数千億レべルにおよんでおり、同社の経営をむしばむ結果となってしまいました。
米国はZTEでのやり方を真似て、知財分野における問題と、対イラン制裁に関する問題、その両面からHuaweiを隔離していく腹積もりかもしれません。
なお、米政府は安全保障上の問題からHUAWEI(華為技術/ファーウェイ)製通信機器の使用をやめるよう同盟国に要請しており、今回の件もその一環である可能性があります。
米国がHUAWEI(華為技術/ファーウェイ)製通信機器の使用排除を同盟国に要請
ドイツ政府、5Gインフラ調達からHUAWEI(ファーウェイ/華為技術)を排除か?~エリクソンとノキアには追い風
HUAWEI(華為技術/ファーウェイ)は世界の5G技術投資の最先端を走る企業ですから、この分野で米国は負けたくないのだと思われます。
もし仮にHUAWEI(華為技術/ファーウェイ)がクロと判断された場合、ノキア、エリクソンが通信設備で優位になり、サムスン、アップルなども端末で優位に立つことになると思われます。
以上。
孟晩舟(モウバンシュウ)CFOに関して追記
Abemaニュースや中国系ネットメディアが孟晩舟(モウバンシュウ)CFOに関して面白い報道をしていたので紹介します。
孟晩舟CFOの経歴
孟晩舟(モウバンシュウ)氏はファーウェイ創業者で最高経営責任者の任正非(ニンセイヒ)氏の娘なのはわかっていましたが、ファーウェイ入社、そしてCFO就任までの経緯がなかなかユニークです。
孟晩舟(モウバンシュウ)氏は母方の姓を名乗る
孟晩舟(モウバンシュウ)氏の両親は同氏が高校生の時に離婚しているとのこと。
そのため孟晩舟(モウバンシュウ)氏は母方の姓を名乗っているのだとか。
孟晩舟(モウバンシュウ)氏は素性を隠して受付嬢をしていた
孟晩舟(モウバンシュウ)氏は大学卒業後、銀行で働いたのちにファーウェイに入社。
孟晩舟(モウバンシュウ)氏は自分が創業者の娘であることを隠しながら、受付嬢として入社したとのことです。
その後一旦退社し、華中理工大学の大学院で会計学を学んだのち、ファーウェイに復職したとのこと。
しかしその後も孟晩舟(モウバンシュウ)氏は自分が創業者の娘であることはひた隠しにしながら生きてきて、2011年にCFOに就任するときになって初めて、素性を明かしたとのことです。
孟晩舟(モウバンシュウ)氏は18年間もファーウェイで素性を明かさなかった
孟晩舟(モウバンシュウ)氏は18年間のファーウェイでのキャリアのなかで、一度も素性を明かさずに過ごしてきたとのことです。
これについて2012年の記者会見では「自分の素性を知られない方が、いろいろな人を見られると思った」と語っていたとのこと。
これは父からの教えでもあったようです。
孟晩舟(モウバンシュウ)氏に付きまとうデマ
このように謎の人を貫いてきた孟晩舟(モウバンシュウ)氏ですから、高卒のたたき上げ、結婚歴4回、ファーウェイ幹部の夫などといったデマが流されてきたとか。
ミステリアスな人には尾ひれのついた情報が次から次へとつくものですね。
更に追記
孟晩舟(モウバンシュウ)氏、詐欺罪で30年の禁固刑も
AFP通信が報じたところによると、孟晩舟(モウバンシュウ)容疑者の容疑は金融詐欺も含まれているとのことです。
もしこれが成立するなら、詐欺罪で禁固30年の可能性もあるとのこと。
捜査協力はHSBCが行ったとのことで、HSBCは孟晩舟(モウバンシュウ)氏の指示で意図せずにイランとの取引をさせられていたとして訴追免除などの交渉をしている模様。
孟晩舟(モウバンシュウ)氏はスカイコム社の取締役を務めていた?
2008年から2014年にかけてスカイコムという香港にある会社がイランと取引していたとして、米国で問題になったとのこと。
このスカイコム社との関係について、孟晩舟(モウバンシュウ)氏は「無関係」としていたものの、実は取締役に就任していたという記録が見つかったとのことです。(12月8日日経新聞)
孟晩舟(モウバンシュウ)氏は逮捕を恐れてアメリカには渡航しないようにしていた
孟晩舟(モウバンシュウ)氏は自身の身が拘束される可能性を察知し、アメリカには渡航しないようにしていたとのこと。
となると、今回カナダ当局によって拘束されたのは、どうしたことでしょうか・・・
孟晩舟(モウバンシュウ)氏が逮捕されたのはカナダ・バンクーバー
孟晩舟(モウバンシュウ)氏は香港からメキシコに向かう途中、乗り継ぎのために降りたカナダのバーンクーバー空港で米司法省からの依頼でカナダ当局によって逮捕されたとのことです。
しかし、孟晩舟(モウバンシュウ)氏は自信の身が逮捕拘束される可能性は十分に認識していたはず。
なぜそんな危険を冒してこのタイミングでメキシコに行こうとしたのか?
何か事情があるのか、気になるところです。