テンセント配給の中国版モンスターハンターワールドが配信停止~WeGameの展開に黄信号か~

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中国版モンスターハンターワールドが販売停止 テンセントのWeGame戦略に影響か?

 

2018年8月8日からテンセントがゲーム配信プラットフォームWeGame上で配信を始めたカプコンのモンスターハンター:ワールド中国版( 怪物猎人世界 / Monster Hunter:World )ですが、当局による規制によってサービス提供が継続できないことになったそうです。

 

Monster Hunter: World – Tencent pulls top selling game days after launch as China continues online content crackdown

 

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なお、理由は「当局に対する多数の苦情のため」とされていますが、たぶんこれは嘘でしょう。きっとなんらか、別の要素があると思われます。

この販売停止の理由がまったくみえないあたりに、中国の規制当局の怖さがあります。


 

今回のモンスターハンター:ワールドの提供停止は、テンセントのゲーム事業の業績にとって非常に痛いと思われます。

テンセント(Tencent/騰訊)のゲーム事業の業績は、このところ頭打ちとなっています。

昨年までは大ヒットMOBAである王者栄耀(おうしゃえいよう/ Honor of King/King of Glory)が同社の業績を牽引してきましたが、その影響もはげ落ちてきています。

次の人気ゲームを開発、配信しなければ成長をできない段階なのですが、その人気作のリリースペースが非常に落ちてきています。

このペースが落ちているのがテンセントの開発能力の低下に起因する問題なら自力でどうにかなるところですが、これが困ったことにテンセントの問題というよりは中国の官僚機構の問題だったりするから話が厄介です。モンスターハンターワールドと同じく、よくわからない理由で配信が始まらないor始まっても取り消されるものが出てきています。

 

 

テンセントは、当局の審査が遅れていることから大ヒットバトルロワイヤルゲームであるPUBG(PLAYER UNKNOWN’S BATTLE GROUND/ プレイヤー アンノウンズ バトル グラウンド)がサービスを開始できていません。

こちらもモンスターハンターワールド停止の問題と同様に理由が全くよくわかりません。一説にはコンテンツの暴力的要素が問題との指摘もありますが、テンセントのライバルであるネットイース(網易/NetEase)が提供する「荒野行動」は配信が認められています。

両者を見比べてみればわかりますが、類似性を指摘する声は多数あります。テンセントの提携先PUBGはネットイースの荒野行動を訴えているようですが、いまだに判決などは下っていません。

DL2億超の大人気スマホアプリ『荒野行動』がPUBGに訴えられる。NetEase株はどうなる?

 

 

昨年、テンセントはゲーム配信プラットフォームWeGameを立ち上げました。モンスターハンター:ワールドはこのWeGameの普及に一役買うと思われていました。

 

ところが、今回のモンスターハンターワールド配信停止問題でWeGameの展開にも暗雲が立ち込めることになりました。

WeGameは、Valve社のゲーム配信システムSteamに対抗するために、テンセントが開発したゲーム配信プラットフォームです。

WeGameは世界展開も視野にいれ、NBA 2kやフォートナイトなどのラインナップも取り入れています。テンセントの提携先ゲーム開発会社Epicゲームなどは、ゆくゆくはWeGameで独占配信していくものと思われています。

が、今回のモンスターハンターワールドの販売停止問題で、この戦略にも悪影響がでてきます。


今回の件でテンセントは、モンスターハンターワールドの販売を停止し、すでに販売した分は8月20日の午前8時までは払い戻しを約束するとのことです。

なお、販売停止後にもモンスターハンターワールドをプレイすることはできるようですが、規制当局とのすり合わせができていない以上、じきにサービスも停止される可能性があると思われます。

また、この件で中国ではSteam版のモンスターハンターワールドを購入、プレイするユーザーが増えているそうです・・・が、当然こちらも規制される可能性があることには注意が必要です。

 


 

このモンスターハンターワールド配信停止により、テンセント株とカプコン株が大きく下落しています。

 

テンセント 5分足

 

 

テンセント 日足

 

 

 

 

カプコン 5分足

 

 

カプコン 日足

 

モンスターハンター:ワールドは日本国内200万本、世界中で800万本以上売れたビッグタイトルですから、これが中国で売ることができないとなればカプコンの業績にも影響します。(現状ではSteamで販売中ですが、いつこれが止められるかわかりません)

また、先ほども書きました通り、王者栄耀が課金収入の減退期に入り、またPUBGがローンチしない現状において、テンセントがモンスターハンター:ワールドにかけた意気込みはかなりのものでしたから、今回の配信停止は非常にネガティブに受け止められました。


 

とりあえず言えることは、中国は以前に比べてコンテンツの中身の審査が非常に厳しくなっているということです。もうひとつは、その審査基準が極めてわかりにくくなっていることも指摘できると思います。

ネットにしても何にしてもそうですが、スピード感がとても大切です。他社よりも早くツバをつけることでビジネスを有利に展開していくのは基本のキです。

先んずれば人を制すといいますが、そのとおりなのです。

 

一時期の中国は、このスピード感が非常にあったように感じました。安全や環境などよりも、とにかくやってみなはれ、という感じのビジネスフレンドリーな政策が多かったと思います。

しかしどうも、最近はこういった中国の良さが失われてきているような気がしてしかたありません。

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今回のモンスターハンター:ワールドの配信停止の一件からは、そんな気がしてしかたありません。

 

とりあえず、今回は以上です。