サウジ王室の一部に、アハメド王子(内相)を推す動き~ムハンマド皇太子の皇位継承に反対~

サウジ王室の一部に、アハメド王子を推す動き~ジャマル・カショギ氏殺害への関与を疑われているムハンマド皇太子の皇位継承に反対~

 

 

サウジ王室の一部に、サルマン国王(82)の実弟アハメド王子を推す動き

After Khashoggi murder, some Saudi royals turn against crown prince

サウジ王室のなかに、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子(ムハンマド皇太子)の皇位継承に反対する動きがあるとのことです。

これは先日残忍な方法で殺されたジャマル・カショギ氏の殺人事件に関し、ムハンマド皇太子の関与が疑われていることが影響しているとのことです。

サウジ出身の反体制記者ジャマル・カショギ氏がサウジ領事館内で殺害された可能性

 

サウジ王室の一部には、ムハンマド皇太子の事件への関与を疑っている者が多く、代わりにサルマン国王(82歳)の実弟アハメド王子を推す動きがあるとのことです。

 

 

 

アハメド王子とは?

アハメド王子は現在70代後半。

初代サウジアラビア国王アブドゥルアズィーズ・イブン・サウードが一番愛したスデイリー家出身ハッサの7人の子供たちの一人、スデイリー・セブンの一人として、おなじくスデイリー・セブンの一人であるサルマン国王に次ぐ有力者とされています。

(現在生存するスデイリー・セブンは、サルマン国王とアハメド王子のふたりのみです。)

 

 

 

アハメド王子は今月サウジに帰国したばかり

アハメド王子は長いこと海外生活をしていましたが、今月になって突如サウジアラビアに帰国。

どうやら、アハメド王子のバックには英米がついているとされ(とくに英国?)、身の安全を保障されているのではないか、と言われています。

このことから、英米もムハンマド皇太子を離れ、アハメド王子に肩入れし始めているのではないか?と言われています。

 

 

 

アハメド王子によるムハンマド皇太子への口撃~イエメン問題

アハメド王子は長らく外国生活をしてきましたが、その理由のひとつが、ムハンマド皇太子による攻撃対象になることを恐れていたから、と言われています。

アハメド王子は、サウジアラビアのイエメン内戦への軍事介入にも反対姿勢をとっており、サルマン国王とムハンマド皇太子の責任を主張したことがあるとのこと。

イエメン内戦は今世紀最大の人道危機といわれる状態になっています。

シリアはまだジャーナリストが入り込む余地がありますが、イエメンは極めて危険で入り込むことが困難とされています。

報道が少ないため注目を浴びていませんが、世界中の関係者が非常に懸念している内戦です。

これを悪化させているのが、ムハンマド皇太子です。

 

 

 

 

アハメド王子はムハンマド副皇太子の皇太子就任に反対だった。

また、アハメド王子はムハンマド副皇太子を皇太子にすることに反対だったといわれています。

報道によると、皇位継承問題を審議する「忠誠委員会」がムハンマド副皇太子の皇太子への就任を決定したとき、反対した委員会メンバー3人のうちの一人がアハメド王子だったとのことです。

 

 

欧米はムハンマド皇太子に愛想をつかし、アハメド王子に皇位継承させたがっている可能性

米国では、トランプ大統領の盟友リンゼイ・グラム上院議員までもがムハンマド皇太子の皇位継承に猛反対。

上院外交委員会は一名を除き全員が対サウジ強硬論を展開している状況です。

ハスペルCIA長官もムハンマド皇太子の関与を確信しているとされ、報告書にまとめる模様です。

「ジャマル・カショギ氏殺害はムハンマド皇太子の指示」とCIAが報告

 

あとはトランプ大統領の判断次第だけ、となっている状況です。

 

 

アハメド王子ならば既存の軍事同盟関係、兵器輸出契約などは温存か?

アハメド王子は英米がバックアップしており、彼ならば皇位継承しても1100億ドルに上る米国からサウジへの兵器輸出契約なども継続されるのではないかとみられているようです。

とりあえず、トランプ政権にせよなんにせよ、欧米としては経済的、軍事的関係が維持されて、かつマトモな人物であれば皇位継承は誰でもいいというスタンスにみえます。

 

サウジ動向はまだいろいろと流動的な部分はあります。

今後も逐次、追っていきたいと思います。

以上。