「ジャマル・カショギ氏殺害はムハンマド皇太子の指示」とCIAが報告
米中央情報局CIAは、ジャマル・カショギ氏殺害事件の黒幕がムハンマド皇太子であると断定したとのこと
ワシントンポスト紙が伝えたところによると、この判断にはムハンマド皇太子の実弟であるハリド駐米大使とジャマル・カショギ氏との会話も考慮に含まれているとのこと。
報道によると、ハリド駐米大使はジャマル・カショギ氏に対し「結婚手続きに必要な書類をとりにイスタンブールのサウジ総領事館に行くように」と連絡。
これに従ってジャマル・カショギ氏が在イスタンブールのサウジ領事館に赴いたところ、直後に袋を被せられて薬剤を注射されて殺されてバラバラに解体されてミンチ肉にされて排水溝に酸性物質とともに流されたとのこと。
サウジ出身の反体制記者ジャマル・カショギ氏がサウジ領事館内で殺害された可能性
在米サウジ大使館は「ジャマル・カショギ氏とハリド大使は会話していない」と報道を否定
これについて在米サウジ大使館は「大使はジャマル・カショギ氏」と会話していないと否定。
なお、ハリド皇子はムハンマド皇太子が失脚した場合に備え、アメリカ政府がケツ持ちしていた皇子であり、さすがにこのハリド皇子まで火の粉を被るようなことになると、米政府としても非常に苦しい状態になりそうです。
ジャマル・カショギ氏のコラム寄稿先であるワシントンポスト紙が一次ソース
今回の「CIAがムハンマド皇太子を主犯と認定」という情報は、ワシントンポスト紙が一次ソースとなっており、他のソースがありません。
ワシントンポスト紙はジャマル・カショギ氏が生前にコラムを寄稿していたりなど密接なつながりがあり、当初からこの件に関しては積極的に報道してきました。
しかし、やはり生前のつながりもあり、バイアスがややかかっていることは否めません。
この件に関しては別のソース源からの報道も欲しい所です。
できれば、CIAの報告書がどのようなものであるかみてみたいですが、それは数十年先まで公開されないので。
もしジャマル・カショギ氏殺害がムハンマド皇太子の差し金だった、と正式認定されたらどうなるか?
もしジャマル・カショギ氏殺害がムハンマド皇太子の差し金だったと正式認定されたなら、どうなるでしょうか?
まず、あたりまえのように制裁対象リスト入りは間違いないでしょう。
ムハンマド皇太子への制裁対象リスト入りはもちろん、ムハンマド皇太子がサウジの政治中枢の人物ですので、サウジへの経済制裁も課さねばなりません。
しかし、サウジは米国にとっての大切な兵器輸出先。
米国の兵器輸出の多くがサウジ向けですから、レイセオンやボーイングなどの業績には大きな影響が出てきます。
また、米国はサウジからの原油輸入も少なからずありますから、そういった意味でも影響が出るでしょう
(輸入元を他に振り替えることができるでしょうから、米国全体からみれば短期的に回復可能ですが、サウジへ投資している米国企業にとっては困ったことになります。)
また、米国に対してサウジが投資している金額は非常に大きく、これを引き上げる動きになれば、とくにサウジのムハンマド皇太子が好んできたテクノロジーセクターや情報技術セクターの銘柄が暴落するかもしれません。
ユニコーンバブルを助長してきたのはソフトバンクとサウジ王室が作り上げたソフトバンクビジョンファンドの影響によるものですが(私見)、ここへの資金流入がなくなるならばユニコーン市場の流動性リスクに繋がる可能性があります。
サウジはジャマル・カショギ氏殺害事件の早期幕引きを図る
サウジ側はこれに先立ち、ジャマル・カショギ氏殺害事件の直接的実行犯5人に死刑を求刑。
サウジ当局が5人に死刑求刑で事実上の「口封じ」へ~ジャマル・カショギ氏殺害事件
早々に口封じを行おうとしています。
なおすでに容疑者のうち一名は不審な事故死を遂げており、この件に関してサウジ側が非常にセンシティブになっていることがよくわかります。
もしジャマル・カショギ氏殺害がムハンマド皇太子の差し金と認定されたなら、皇太子は交代か?
とりあえず、世界的な影響力が大きすぎるため、ムハンマド皇太子は交代する可能性があります。
そうした場合に備え、ハリド大使が後釜に据えられるのでは?との一部報道もありましたが、今回の件を聞くと、そのハリド大使にすら火の粉が飛んできそうな勢いです。
とりあえず、まだまだ流動的な部分もあり事実はわかりませんが、このジャマル・カショギ氏問題は大きな影響力を持つニュースです。
しっかりと見ていった方が良いと思います。
以上です。