ゴーン氏逮捕はやっぱりクーデター~刺した西川広人はブルータスだとフランス紙レゼコー
カルロス・ゴーン容疑者逮捕は日産自動車取締役によるクーデターか?
カルロス・ゴーン日産自動車会長が逮捕された事件が海外でも大きな話題となっています。
フランスのルモンドはルノー経営陣に取材をするなかで
「日産側からのクーデターだ」
との声が出ているとのこと。
また、経済紙レゼコーは西川広人社長にたいし
「眼をかけてくれたゴーン氏を公共の場で引きずりおろした」
「古代ローマ帝国でカエサルを殺害したブルータスだ」
と断じています。
ゴーン氏がルノー・日産自動車の統合を「ネマワシ」していた最中に、クーデターは起きた
日経CNBCは10月、カルロス・ゴーン日産自動車会長に単独インタビューした際に、
「ルノーと日産との統合があるのでは?」と質問。
これに対してゴーン氏は
「日本ではネマワシが必要だ。ネマワシ後に発表する」
「統合は時として勝者と敗者を生む、そういうのはみたくない」
と語っていました。
今回のクーデターはそうしたなかで起きました。
日産取締役によるクーデターに正当性はあるのか?資本の論理でいけばルノー側に吸収されるのが筋
さて、ここで冷静に考えてみますと、果たしてこのクーデターに正当性があるのか?という疑問がわきます。
確かに、虚偽記載を明らかにすることは必要です。
それは株主保護のために必要。
でも、それならなぜ今頃になって明らかにするのでしょうか。
歴代の日産取締役連中はみんなグルだったはずでしょう。
みんなそろって、有価証券報告書の虚偽記載でパクられたらいいのです。
容疑が有価証券報告書の虚偽記載なのですから、別にそれによって誰が利益を受けたとか関係ないはずでしょう。
ではなぜ今頃になってゴーン容疑者の有価証券報告書虚偽記載容疑だけが問題になっているかといえば、それはひとえにクーデター目的、としか言いようがないと思います。
もしくは、日本政府もグルになってルノーによる日産統合を阻止しようとしている・・・誰が見てもそうみえるはずです。
それは、資本の理屈からみて正当性があるのでしょうか。
43.4%の株式を握る親会社にクーデターを起こす日産自動車の取締役は株主を軽視している
ハッキリ言って、43.4%を握る親会社ルノーにクーデターを起こす日産自動車の取締役たちは、自己の保身しか考えていないのではないかと思われます。
資本関係の上下でいえば、日産は間違いなく下なのです。
下が上に歯向かうのは資本市場のルール違反です。
もちろん、ルノーに吸収されると他の株主の価値を毀損するというのならわかりますが、そう主張できる根拠は極めて薄いでしょう。
さらにいうと、日産が独立するためには多額の資金を使ってルノー株を買い増ししたりしないとイケナイはずですから、ルノーに吸収される場合に比べて既存株主は非常に不利益を被ると思われます。
どう考えても、ルノーに吸収された方が既存株主にとっては利が大きいはずです。
関連:カルロス・ゴーン逮捕! 日産自動車の配当は減配されるか?
個人的には、今回のゴーン容疑者逮捕は好ましいと思います。
近年、ゴーン氏は大して経営成績をあげていないのに報酬だけはご立派でした。
さっさといなくなった方がよかったことは確かです。
ですが、それと「ルノーに吸収されるべきか否か」とは別です。
関連:日産自動車の不正行為は西川廣人など他の取締役も知っていたのでは?カルロス・ゴーンだけ放逐するのは間違っている。
今の日産自動車には企業統治上の大きな問題があると思われます。
そのことに日産の取締役たちは気づいていないように見えることが、非常に深刻だと思います。
以上。