Juulなど電子タバコ規制を推進していたスコット・ゴットリーブ米FDA長官が突如辞任へ

Juulなど電子タバコ規制を推進していたスコット・ゴットリーブ米FDA長官が突如辞任へ

 

電子タバコJuul規制のスコット・ゴットリーブ米食品医薬品局FDA長官(Scott Gottlieb)が突然の辞任へ

非常に残念な報告。

超人的な能力で多方面の規制強化と規制緩和を行い、米国の公衆衛生の発展に尽力してきたスコット・ゴッドリーブFDA長官が退任します。

スコット・ゴッドリーブFDA長官は、民主党、トランプ大統領ともに非難の矛先にはなっていませんでした。

議会からは特にこれといった圧力がないはずです。

製薬業界やJUULなど電子タバコ業界、そして既存のタバコ業界からは邪魔な存在でしたが・・・

FDA Commissioner Dr. Scott Gottlieb to resign next month CNN




 

 

スコット・ゴッドリーブ長官の所属していたFDAとは?

スコット・ゴッドリーブ氏が所属していたFDAとは、

アメリカ合衆国保健福祉省(Department of Health and Human Services, HHS)傘下の政府機関である

米食品医薬品局(Food and Drug Administration; FDA)のこと。

名前の通り、食品と医薬品の管理監督を行うほか、子供の口にする玩具や、日常接するありとあらゆるものの安全性についても調査しています。

 

 

FDAのスコット・ゴッドリーブ長官は既存タバコの非メンソール化や、電子タバコJUULなどの規制に積極的

スコット・ゴッドリーブFDA長官はタバコや大麻などに非常に厳しい態度を示していたことで知られていました。

電子タバコの『ジュール・ラブズ(JUUL)』、FDAのゴットリーブ局長が規制強化を示唆

電子たばこの『ジュール・ラブズ(JUUL)』について株式投資の観点からみてみよう~マルボロのアルトリアが128億ドル出資

若者のあいだで爆発的にヒットしている電子タバコのJUULに対して規制を加えようとしていたほか、(JUULにはアルトリアが出資)

既存タバコ産業に対してはメンソール規制などを実施。

(メンソールにはニコチン依存性を高める効果があるとの報告があるようです。)

また、大麻の合法化に対しても反対姿勢を示しており、この業界においては目の上のたん瘤状態でした。

 

 

 

スコット・ゴッドリーブFDA長官はジェネリック医薬品の承認迅速化も実現

スコット・ゴッドリーブFDA長官は、ジェネリック医薬品の普及と薬価の引き下げを積極的に行うため、ジェネリック医薬品への承認・審査の迅速化に尽力しました。

また、薬価引き下げ、バイオシミラー(バイオ医薬品版のジェネリック薬)への承認手続きの簡素化なども実現。

非常に精力的に働いており、与野党問わず、その仕事ぶりを評価する声が高い人物でした。

トランプ大統領とも関係が悪いという話は聞いたことがなく、政権の支持もあったはずです。

トランプ大統領は、「退任が残念でならない」とコメントしています。

実際、トランプ大統領は就任前は薬価引き下げに消極的でしたが、就任後は薬価引き下げに積極的に転じました。

その一番の功労者がスコット・ゴッドリーブFDA長官であることは、たぶんトランプ大統領が一番理解していると思います。

個人的にも、凄い人だなぁと思ってみていましたから、とても残念に思います。

 

 

スコット・ゴッドリーブFDA長官の辞任は、JUULなどフレーバー付き電子タバコへの強力な規制を導入しようとしていた矢先

今回のスコット・ゴッドリーブFDA長官の辞任は、JUULなどフレーバー付きの電子タバコへの規制強化をしようとしていた矢先の出来事です。

電子タバコのネット販売については年齢確認規制を強化。

コンビニやガソリンスタンドなど子供の目につきやすい所での販売も禁止する予定でした。

当然、JUULなど電子タバコ界隈の業界関係者からしたら面倒なことですし、そういったスタートアップに出資している人々からしてもスコット・ゴッドリーブFDA長官は邪魔な存在でした。

今回の退任でこれら規制案がどうなるかはわかりませんが、次の長官にはかなり大きな期待がかかることになるでしょう。

 

 

スコット・ゴッドリーブFDA長官はホジキンリンパ腫からの生還者

スコット・ゴッドリーブFDA長官はホジキンリンパ腫からの生還者です。

今回、スコット・ゴッドリーブFDA長官は辞任する理由として「家族と過ごす時間を増やしたい」

と語っています。

個人的に、これを最初に聞いた時は

「そんなこと言って、また何か業界団体に女性問題でも握られたか?」

とか思ったのですが、よくよく考えたら彼は病み上がりの身体でFDA長官職を頑張っていたんでした。

もしかしたら、また病気が再発ぎみなのかもしれません。。。

いやはや、常に陰謀めいたことばかり考えているといけませんね。

アメリカの、そして世界の公衆衛生のために尽力してくださったスコット・ゴッドリーブFDA長官、今後はご家族と一緒に幸せな時間を過ごしてもらいたいものです。

以上です。