2018年7月分の米国債保有国順位が発表されました。
2018年7月分の米国債保有動向が発表されました。
この月は、前月にひきつづき人民元安が進行していた時期にあたります。
よって、中国政府の動向が気になったわけですが、米国債保有状況からみると、どうやら先月にひきつづき中国政府は一切動かなかったようにみえます。
(もし政府が意図的に人民元安を誘導していたなら、国債保有額ががっつり増えていることでしょう。統計をみるかぎり、国債保有額は逆に微減になっています)
トランプ大統領は「中国が意図的に人民元安を誘導している」と言っていますが、少なくともこれを見る限り根拠は薄そうです。
先日、夏季ダボス会議で李克強首相は「人民元安誘導を行わない」「人民元安は害が大きい」と発言していますが、たしかに政府主導では行っていないと思われます。
関連:中国、李克強首相が夏季ダボス会議で演説。「人民元引き下げは害」と為替に言及
むしろこの下落は、海外から中国に投資しているマネーの引き上げに伴うものであった可能性が高いと思われます。
(国内からの資金の移動はまた別の理由でいろいろと制限がかかるので。)
とりあえず、これで中国政府の方針はみえました。
一応、この水準では意図的な為替相場の操作はしない。
行き過ぎた人民元安になれば、買ってくるかもしれない。
そんな感じだと思います。
なお、過去のぶんの米国債保有動向は以下参照
関連:2018年6月米国債保有動向~中国人民元暴落の最中、中国政府はほぼ傍観~