南米ベネズエラでクーデターか?フアン・グアイド国会議長を新大統領としてトランプ政権が承認
南米ベネズエラでクーデター発生か~フアン・グアイド新大統領をトランプ政権が支持
反米国家&超インフレ国家として知られるベネズエラで、民衆蜂起が起きています。
主導しているのは野党指導者フアン・グアイド国会議長。
前回の選挙に不正があったと訴えており、選挙のやり直しを求めて暫定大統領就任を宣言しています。
これにアメリカが乗る形で事態が一気に動きました。
ペンス副大統領が動画メッセージでフアン・グアイド暫定大統領を支持~ベネズエラのクーデター煽るかたちに
ここまで支持が集まったきっかけは、アメリカの支持がついたからと思われます。
22日、ペンス副大統領がベネズエラ国民に向けてビデオメッセージを発表。
このなかでフアン・グアイド暫定大統領を米国政府として支持すると表明しました。
これで勢いづいたグアイド支持者が街に繰り出し、政府への抗議運動を広げていると伝えられています。
トランプ大統領もフアン・グアイド暫定大統領を支持
ペンス発言の翌日23日には、トランプ大統領もフアン・グアイド国会議長への支持を表明。
フアン・グアイド国会議長を暫定大統領として承認することを発表し、
「米国の経済と外交を最大限に利用し、ベネズエラの民主化に向け圧力をかける」
と表明。
また、ポンペオ米国務長官もマドゥロ政権に退陣を求め、ベネズエラの軍隊に対しても、マドゥロに忠誠を誓わないよう呼び掛けています。
フアン・グアイド国会議長はヘスとエクソンのガイアナ沖油田開発を認めるか?
アメリカの思惑としては、単なるお人よしでベネズエラのクーデターを支持するはずがありません。
そんなんだったら世界中のアチコチでアメリカは世界警察として活躍していますが、トランプ政権は世界の警察をやめて自国に引きこもろうとしています。(シリア、アフガンからの撤兵はトランプ政権の公約です。)
ではなにがアメリカの目的かというと、それは単純に原油でしょう。
ベネズエラは世界最大の原油埋蔵量を誇る国です。
【統計】ベネズエラの原油生産・石油精製能力・石油精製量・原油埋蔵量
かつてはエクソンとコノコフィリップスがここで採掘&精製の巨大権益を所持していましたが、ベネズエラの前政権であるチャベスに奪われてしまいました。
この時にアメリカとベネズエラの関係は決定的に悪化。
その後、アメリカ側の裁判などの過程でベネズエラ国営石油会社PDVSAの資産差し押さえなどの動きがここ二年程つづいており、これが石油収入による国民への手厚い福祉を支持のよりどころにしていた与党にはダメージになりました。
また、米国企業エクソンおよびヘスとは隣国ガイアナ沖の洋上油田開発を巡って争っています。
このヘス&エクソンが開発をしている油田は可採埋蔵量が50億バレルという超巨大油田であり、開発されれば地域のエネルギーバランスのみならず、世界規模で大きな影響が出てくるのが間違いないものとなっています。
しかし、ガイアナとベネズエラの国境付近に広がっているため、ベネズエラ政府としては
「ストローによってチューチューとこちらがわの権益もすいとられる」
と主張。
また、ガイアナとの国境はしっかりと画定していなかったことから、マドゥロ大統領はたびたびこの洋上権益への嫌がらせをしていました。
ベネズエラのクーデターの結果、フアン・グアイド大統領誕生ならヘスの株価はあがりやすい?
なお、エクソンは超巨大な企業なので、ガイアナ沖油田の事業全体への影響はそこまでではありませんが、ヘスにとっては社運をかけたプロジェクトです。
もしこれが実現すれば莫大な富が舞い込んできます。
フアン・グアイド新大統領が誕生し、そのケツ持ちにアメリカがつくならば、ヘスにとっては最高の環境じゃないかと思われます。
とりあえず、そんな感じで、他国のクーデターをカネに換える手段を考えてみました。
以上です。