ロベーン首相信任案否決、極右政党スウェーデン民主党が影響力拡大へ

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スウェーデン議会で与党社会民主労働党のステファン・ロベーン首相の信任投票が否決~移民排除を訴える極右政党スウェーデン民主党オーケソン党首の影響力拡大へ~

 

スウェーデン議会で25日、与党社会民主労働党(社民党)のステファン・ロベーン(Stefan Lofven)首相の信任案が信任142、不信任204で否決されました。

 

スウェーデン首相、不信任に 新政権づくり難航 日本経済新聞

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スウェーデン議会(定数349議席)では首相への信任には過半数が必要でしたが、9月9日の議会選挙で社会民主労働党率いる与党連合は144議席しかとれなかったため、今回の首相信任投票で否決されることは、ある程度は既定路線でした。

ただ問題は、今後だれがスウェーデンの次期首相になるのか?という点です。

第二党の穏健党はウルフ・クリステルソン(Ulf Kristersson)党首を次期首相に推したい構えですが、穏健党率いる野党保守連合(穏健党・キリスト教民主党・自由党・中央党の4党「アリアンセン」※1)は143議席しかとれていない状況。

※1 アリアンセン(Alliansen)・・・正式には「スウェーデンのための同盟」(Allians for Sverige)。穏健党・キリスト教民主党・自由党・中央党からなるスウェーデン保守政党集団

 

このため、ウルフ・クリステルソン党首が首相になるためには、今回信任拒否をしたステファン・ロベーン首相率いる社会民主労働党の協力を要請するか、もしくは近年勢力の伸長が著しい極右ポピュリズム政党・スウェーデン民主党(イィミー・オーケソン党首/ Jimmie Akesson)の協力を仰がなければならない状況になっています。

 

現状のスウェーデン議会はハング・パーラメント(宙づり議会)となっており、これを解消するためにアンドリアス・ノルリアン(Andreas Norlen)議長は8党の党首らと会合を持ち、次期政権の発足に向けた調整に乗り出す構えです。

とりあえず、当面はロベーン首相が暫定首相に留まりますが、もし仮にスウェーデン民主党が政権与党として入ることになりますと、「移民に寛容な国」として知られてきたスウェーデンの大転換となります。

これは、スウェーデンの転換というだけでなく、欧州の転換でもあり、世界の移民政策における転換ともいえると思います。


イィミー・オーケソン率いるスウェーデン民主党

 

とりあえず、今後のスウェーデン政治の鍵を握りそうなのが、イィミー・オーケソン党首率いるスウェーデン民主党です。

本人たちは否定しているものの、外部からは「スウェーデン民主党の源流はネオナチ、ファシズムにある」との指摘があり、極右政党として扱われています。

スウェーデン民主党の政策としては、移民受け入れ反対、移民排斥、難民受け入れ反対、反イスラム、スウェーデン伝統文化の護持、EU離脱、トルコのEU加盟反対などとなっています。

また、南部を地盤としているスウェーデン民主党はサーミ人(ラップランドに住む人たち・蔑称ラップ人)の権利拡大に反対しているということです。

 

 

こうした政策は、欧州連合EU加盟国で最多規模の難民受け入れをしてきたスウェーデンの実情とは明らかに正反対のものとなっています。

スウェーデンの移民受け入れ姿勢に喝、元クルド兵女性議員 総選挙を前に … AFP

 

こうした政策が、年を追うごとに受け入れられているのがスウェーデンの実情です。それは、スウェーデン民主党の得てきた票数の推移をみればわかります。

 

得票数得票率(順位)議席
1988年1,11800/349
1991年4,8870.10/349
1994年13,9540.30/349
1998年19,6240.4(#8)0/349
2002年76,3001.4(#8)0/349
2006年162,4632.9(#8)0/349
2010年339,6105.7(#6)20/349
2014年801,17812.9(#3)49/349
2018年1,100,26617.5(#3)62/349

 

移民排斥を声高に叫ぶ極右政党スウェーデン民主党の支持率が急激に伸びていることがわかると思います。

スウェーデンの有権者数は750万人弱、投票率は非常に高く約87%です。

それで、得票率17.5%を獲得しています。

この事実を無視してはいけません。


 

いま日本の産業界では、キツイ・キタナイ・キケンな3K仕事を外国人労働者に頼ろうという姿勢が広がっています。

国民側も、日本国内での労働格差を極端に嫌った平等社会を求めています。

しかし、移民先進国だったスウェーデンが今このような状況になあっていることを無視しては危険だと思います。

政治的不安定感の後ろ側には必ず社会的な不安定感があります。

日本がこのような状況にならないようにするためにはどうしたらいいか、いま一度、立ち止まって考えてみる必要があるのではないか、と個人的には思います。

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以上です。

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