パプアニューギニアにおける暴動に漂うキナ臭さ~グラスベルグ鉱山を巡る動きが関係している可能性は?
パプアニューギニアで暴動が発生
2019年8月19日、ニューギニア島のインドネシア領パプアで暴動が発生しました。
この暴動では地元議会の庁舎が放火されたほか、インドネシア系住民の店舗や車両が略奪され放火されるなど、現地は酷い状態に陥っているということです。
今回の暴動、直接のきっかけは先週、パプア独立を掲げる学生活動家が拘束されたことだそうです。
パプアニューギニア出身の大学生が拘束されたことで暴動発生
インドネシア独立記念日の先週17日、スラバヤでパプア出身の大学生43人が学生寮で身柄拘束されたそうです。
拘束の容疑は国旗損壊の罪とのこと。
警察は学生寮への突入をする際に催涙ガスを使用したと報じられており、その手法に批判する声が上がっていました。
それから一週間たち、今回の暴動に発展。
まぁ、一見ありきたりな展開にみえます。
しかし、インドネシアを巡るこれまでの流れを考えると、これがどうもキナ臭く感じられてきます。
パプア暴動とアチェ暴動と東ティモール暴動と・・・
今回のパプアニューギニア暴動と、インドネシアの過去の暴動(アチェ、東ティモール)とは似た構図があります。
それは主に以下の点です。
・宗教が前面に出てきた戦い
・地下資源が非常に豊富
・独立運動がかねてより盛ん
どうも自分は、今回の件をキナ臭く感じます。
グラスベルグ鉱山問題は、パプアニューギニア暴動の遠因か?
パプアニューギニアには、世界最大規模の金銀銅鉱山 グラスベルグ鉱山があります。
このグラスベルグ鉱山ですが、昨年、反国有化されました。
インドネシア国営資源企業イナルムがグラスベルグ金鉱山を半国有化へ
フリーポートマクモランは安値で譲渡するほかありませんでした。
半ば無理やりな、接収じみたやり方でした。
もしパプアが独立すれば、後ろ盾になるのは欧米諸国でしょう。
こうした国々は、なにもお人好しでケツ持ちしてやるわけじゃありません。
そこに利権があるからケツもちするんです。
東ティモールの時は豪州がケツ持ちしましたが、おかげで豪州は自国に都合のいいように国境線を画定させ、
さらにはグレーター・サンライズの開発にウッドサイド・ペトロリアムなどを噛ませることに成功しました。
今回、たぶんパプアが独立すればフリーポートマクモランに再度頼むことになるはずです。
独立派だって、まったく計算できずに独立運動しているわけじゃありません。
欧米の圧力を利用して、統治する方法を考えているはずです。
とりあえず、何の根拠もありませんが、どうも臭う・・・という話です。
以上。