新金貨物線/新金線の旅客化計画が進行中~墨田区~
葛飾区の南北を結ぶ新金貨物線・新金線の旅客化計画
東京都区部東部の葛飾区で、南北を結ぶ旅客鉄道計画が浮上しています。
場所は、常磐線金町駅から新小岩駅のあいだを結ぶ路線。
「新金貨物線・新金線(しんきんかもつせん/しんかねせん)」
と言われる路線を旅客化しようというものです。
新金貨物線/新金線とは?
新金貨物線/新金線は常磐線の金町駅から総武本線の小岩駅を結ぶ貨物路線です。
正確にいうと、新小岩駅側は新小岩信号場まで本線と共有し、そこから分岐して金町に向けて北上する形となっています。
(葛飾区資料より)
この路線ができたのは、非常に古く1924年12月27日
実際に営業を開始したのはそれから一年半後の1926年7月1日からとなります。
この路線ができた理由としては、隅田川の存在が挙げられるということです。
当時の総武線の西側終着駅は、隅田川の東岸の両国橋駅だったとのこと。
隅田川を越えるための橋が総武線にはなく、このため総武線と常磐線を接続するかたちで東京に貨物列車を乗り入れさせたのだそうです。
いやはや、時代を感じさせますね。
新金貨物線/新金線の旅客化計画
こうして作られた新金貨物線/新金線でしたが、その後、隅田川には架橋され、総武本線が東京中心部に入り込めるようになったことで、その重要性が低下しました。
現在でも鹿島スタジアム方面との連絡のために必要なため残されていますが、あまり利用されることもない路線となっているのだそうです。
そこで浮上したのが新金貨物線/新金線の旅客化計画
葛飾区はかねてより南北の連絡が不自由で、京成電鉄を高砂駅で乗り換えるか、バスによって移動するほかありませんでした。
もし南北の連絡線ができれば、非常に便利になるのではないか?と地元の議員さんたちが頑張っているのだそうです。
新金貨物線/新金線の旅客化計画における二つの案
この新金貨物線/新金線の旅客化計画ですが、二つの案が検討されているとのことです。
ひとつは10駅案、もう一つは7駅案
それぞれの駅の場所は以下の通りです。
(葛飾区資料より)
10駅案、7駅案における目的別輸送人員数(千人/日:平日)は以下のとおりです。
目的 | 10駅案 | 7駅案 |
通勤 | 24.2 | 23.6 |
通学 | 2.6 | 2.4 |
私事 | 10.1 | 9.2 |
業務 | 1.5 | 1.4 |
輸送人員計 | 38.4 | 36.6 |
(葛飾区資料より)
新金貨物線/新金線の旅客化計画で京成線の旅客が減少?
なお、この新金貨物線/新金線ができると、京成線の旅客数はやや減少することが想定されています。
周辺鉄道駅の乗降客数の増減(千人/日)
駅名 | 10駅案 | 7駅案 |
京成金町駅 | -3 | -3 |
柴又駅 | ±0 | ±0 |
京成高砂駅 | -9 | -10 |
青砥駅 | -7 | -8 |
京成立石駅 | 1 | ±0 |
JR小岩駅 | -8 | -8 |
JR新小岩駅 | +11 | +11 |
JR金町駅 | +3 | +4 |
JR亀有駅 | -2 | -1 |
(葛飾区資料より)
逆にJR東の旅客数はやや伸びることが想定されています。
もちろん、まだ試算の段階なので何とも言えませんが、他にもバス路線の旅客減少なども想定されています。
なお、需要予測の前提にはJR東の地方交通線の料金を利用しているようです。
http://www.city.katsushika.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/015/119/shinkinsen001.pdf
新金貨物線/新金線は電車もしくはLRT?
なお、この新金貨物線/新金線の旅客化計画ですが、葛飾区としてはLRTも視野に入れて計画しているそうです。
ただその場合、既存の貨物鉄道はどうするんだ?という気はしますが。
個人的にはこの路線は葛飾区が単独で運営するのではなく、できればJR東に運営してほしいところ。
もちろん民営化して上場企業であるJR東にとっては赤字路線の運行は難しいでしょうから、上下分離&補助金つけてやったらいいんじゃないかと思うのですが・・・。
なんにしても新しい鉄道が開通するかもっていうのはワクワクしますね。
いつになるかわかりませんが、楽しみです。
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