食品値上げは時代の流れ
交易条件の悪化をもとに、食品価格が上昇している
国内食品価格が上昇しています。
令和4年の家計負担増加は5000~9000円程度になるとのことです。
https://www5.cao.go.jp/keizai3/2021/0207nk/pdf/n21_1.pdf
※内閣府ミニ白書 第1-4-5図 消費者物価の動向~食料品価格上昇の更なる広がりが消費者心理等に与える影響には注意が必要
個人的には、もうちょっと行くんじゃないかと考えています。
むしろ、今年この程度で済むならば、来年以降もじわじわと続くのではないかと考えています。
そう考える背景としては、足元の食品製造業関連企業のマージンの動向。
主に交易条件の悪化に伴い、食品製造業のマージンは悪化しています。
これが時間差をもって響いてくるはず。
食品値上げの背景には、企業経営側の意識変化
かつて日本企業は、シェア争いで勝つことこそが、経営のよしあしを測る指標であるかのようにみていた部分があったと思います。
ビール、酒類、菓子、清涼飲料水、カップ麺、冷食・・・なんでもシェアを競っていました。
利益率が低くても気にしない。
とにかくシェアさえ高ければそれでよし、みたいな経営が多かったように思います。
食品企業の営業利益率はどこもだいたい1桁前半なんて時代が長らく続きました。
潰れなければいいだろう、みたいな時代。
自社が潰れない程度のマージンを得ていれば、そのうちライバルが撤退するだろうという期待があったのかもしれません。
00年代までそんな感じが続いたと思います。
(ちゃんと数字をとってませんが、多分正しいと思います。気になる方は検証してみてください。)
それが、今ではシェアよりもマージン確保に経営の主眼が置かれています。
利益をなんぼ稼ぐかが重要、という当たり前の経営にシフトしていっています。
この背景には、
1.経営側がシェア争いの不毛さに素直に気づいたこと
2.団塊の世代の大量退職でポストを用意しなくてよくなったこと
3.株主からの圧力
などがあると自分はみています。
(2はあまり大っぴらには言われてませんが、日本企業が事業拡大するのは基本的には人材の置き場を用意する為…ってのは、日本のサラリーマンなら何となくわかるのではないでしょうか。海外の人にはあまり理解されないでしょうけれど。中世からずっと続く、城を任せる文化の名残だと自分はみています。このあたりは文化の違いが大きく出ていると思います。)
とりあえず、今後しばらくはマージン確保を素直に優先してくるはずで、その影響はもろに家計部門にくるはず。
そのあとには、国内農水産品の生産者の高齢化や、円安による海外への輸出増(による国内価格上昇)なども進むんじゃないかとみています。
(鮨文化の輸出なんてしなければ良かったのにね)
覚悟が必要だと思います。
以上。