必要は発明の母である~中国EUV露光装置開発について
中国がいよいよEUV露光装置を開発したかもしれない
最先端の半導体に必要不可欠な微細化技術。
その微細化のキモになる露光装置において、現在、最も細い線幅を実現できるのが極紫外線を利用するEUV露光装置。
そして、そのEUV露光装置のシェアを独占しているのが、オランダのASML・・・
という構図が今まで続いてきました。
そして、そのASMLに対し、アメリカは圧力をかけてきました。
中国には売るなよ、と。
産業の米である半導体の製造を邪魔することで
中国の産業振興を抑え込もうという考えなのでしょう。
あれやこれやと安保を口実にしていますが、
「中国がこれ以上発展して世界の覇権を握るのが怖い」
というのが本音だと思います。
とにかく、今まで蘭ASMLがEUV露光装置を独占していて、
そのASML及びオランダ政府に対してアメリカは対中禁輸措置の圧力をかけてきた。
そういう流れです。
しかし、その構図を一転させるかもしれないニュースが先週飛び込んできました。
中国がいよいよ、EUV露光装置を用いた半導体製造を実現できたかもしれない。
というものです。
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20230502-2670408/
中国科学院の前院長である白春礼氏が、4月13日に吉林省長春市にある中国科学院付属長春光学・精密機械・物理研究所を視察し、露光装置の開発状況を確認した
「なんでお偉いさんが視察しただけで開発できたと言えるんだ?」
という疑問が出てくるところですが、そこは中国。
中国では、このクラスのお偉いさんが視察するということは、相当な技術的な進展があったということ・・・らしいです。
(私はそこらへんの事情は詳しくありませんが。)
とりあえず、このEUV露光技術分野の開発は中国にとっての生命線。
せっかくYMTCが232層NANDを製品化し、その次の技術も開発を進めていたのに、
露光装置の販売をアメリカが邪魔していたせいで、2024年には資金が枯渇して倒産するのではないか
・・・なんて噂も流されていたくらいです。
中国の産業界にとって絶対に必要なのが、半導体の自国生産。
そしてそのために絶対に必要なのが、半導体設計技術と半導体製造装置技術と素材技術と生産管理技術。
そして、そのうちのいくつかの技術で、進展があったかもしれないということ。
そもそも中国にEUV露光装置を売らないという戦略が間違っている
個人的には、中国にEUV露光装置を売らないという対中包囲網戦略が、そもそも間違いだと思っています。
「EUV露光装置は売るけれど、技術は与えない」というのならまだわかります。
それなら中国は、わざわざ高いコストをかけて自国生産なんてしないし、
もしするにしても本気ではやらないでしょうから、いつまで経っても金食い虫のプロジェクトのままなはずです。
けれどEUV露光装置自体を中国に売らなければ、
中国は間違いなくコスト度外視で、本気で優秀な研究者、技術者を動員して、自国生産に向かいます。
そしていずれは、コスト的に現在主流の技術を喰う側にもなりかねない。
ぶっちゃけ、いま世界で一番に産業が発達しているのはどこなのか。
もちろん、調査方法などによっても異なりますが、中国を外して考える人はいないはずです。
中国は世界の産業の中心地。
そして、需要でも世界の中心地のひとつ
人口は世界で二番
経済規模でも二番
資源でも、世界における非常に重要なプレイヤーのひとつ。
とくに、中国企業の持つ海外権益を含めれば、最重要プレイヤーであることは明らかです。
資源と、需要と、生産が世界有数の国に、わざわざ内製化させてどうしますか。
頭が悪い。
もしこの政策を進めるなら・・・というか今更後戻りはできないでしょうが・・・
たぶん、西側の半導体製造装置メーカーや素材メーカーの中国ビジネスは、相当に厳しいことになると思います。
中国で安くて品質のいい製造装置や素材が出回り、わざわざ西側から(安保リスクを抱えながら)買う必要がなくなる時がくるはずです。
そう遠くない未来に。
そのときに、中国以外のビジネスが大きく伸びていればいいでしょうけれど。
そうでなければ、売上も利益も成長が阻害されることになるんじゃないかと思います。
まだ、その影響が出てくるには少し時間がかかるでしょうけれど。
ほんと、そう遠くない時期に、テレビや家電、二次電池や太陽光パネルなんかで起きたことと同じことが、繰り返されるんじゃないかと思います。
そして現在進行形でみえてきている変化は、自動車ですね。
中国の研究者、技術者を舐めちゃいかんと思います。
とにかく、ブロック化は、ブロックする側にも多大な被害をもたらします。
やめた方がいいですが、西側諸国がやめることはたぶんない。
なので、個人で出来る選択としては、そうした影響を受ける企業への投資や融資は、なるべく厳しめに眺めた方が良いということ。
私はそう思います。
以上です。
※なお、先にも書きましたが、私はtwitterのアカウントが(不当に!)永久凍結されておりますw
なので、この記事を自分でtwitterで拡散することができません!
とゆーわけで、最後まで読んだならちゃんと拡散してねw
誰も反応ないと書く気おきなくなるんで。。。
よろしくお願いしますm(__)m