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4月17~20日 日米首脳会談

来週4月17~20日の日程で日米首脳会談が始まります。

当初は北朝鮮情勢の変化を受けて日本側が要請したとも伝えられるこの首脳会談ですが

日程が近づくにつれて、どうも別の議題が中心になりそうな雰囲気になってきました。

今回の日米首脳会談ですが、最初に日経で報じられたのは3月10日です。

3月9日に米朝首脳会談の開催が決定してしまったことで、日本が懸案としている「核、ミサイル、拉致」が好い加減に扱われてしまうことを危惧した日本側が電話会談を設定し、そのなかで4月中旬頃の日程で日米首脳会談を開催することになったそうです。

3月10日から今日までの一か月ちょっとの間に、目まぐるしく世界は動きました。時系列で追ってみます。

 

  • 3月11日 習近平指導部強化。国家主席任期を2期までに制限する規約撤廃。長期政権に道筋。
  • 3月23日 米国が通商拡大法232条発動、鉄鋼とアルミに高関税を課す方針決定 対中国を念頭に貿易戦争開始
  • 3月26日 金正恩が訪中、習近平国家主席と会談
  • 3月27日 米韓自由貿易協定(FTA)再交渉妥結 韓国が米国側が要求していた為替条項を受け入れ(一説には、在韓米軍の撤退をちらつかせて交渉したとも・・・)
  • 4月2日 中国が米通商拡大法232条に対抗しワイン、ナッツ類、果物など120品目に15%、豚肉、アルミスクラップなど8品目に25%上乗せする報復関税発動
  • 4月4日 米国が知的財産権侵害を理由に中国への通商法301条適用方針確認。関税25%をかける中国製品1300品目を公表
  • 4月4日 中国政府が米国産の大豆、自動車、牛肉、飛行機など106品目に対し25%の追加関税をかける方針を発表
  • 4月6日 前日の中国側報復関税方針に対し、対中制裁1000億ドル追加
  • 4月10日 博鰲(ボーアオ)で開催のアジアフォーラムで習近平国家主席が対外開放、貿易黒字削減の受け入れを表明
  • 4月14日 化学兵器使用疑惑を巡り、シリアへのミサイル攻撃開始

このほかにも、

  • ロシア人元スパイの毒殺未遂
  • サウジアラビア リヤドへのフーシ派からのミサイル攻撃激化

などが発生。

今月6日には米国が対ロシア制裁措置強化し、アルミ大手RUSAL(ルサール)株が9日に香港市場で約半値に暴落。EN+、Norilsk Nickel(ノリリスクニッケル)なども大幅安。ルーブル安も進行、アルミ価格が世界的に急騰するなど・・・

 

産業・経済・外交・軍事あらゆる面で激動の一か月となってしまいました。

当然のことながら、北朝鮮の話題なんて脇に追いやられました。

北朝鮮に関しては、なにも進展していないにも関わらず、なにも起きないだろう、簡単に解決できるだろうという希望的観測が世界を覆っています。

日本と韓国、米政権中枢の人々は北朝鮮問題の重大性、解決困難さを理解しています。

しかし世界のほとんどの人のアタマからはすっかり消えてしまっています。断言できます。むずかしい問題にであったら、すっ飛ばして他の解きやすい問題を解く・・・それが大多数の人々の思考パターンです。

それはトランプ大統領もおなじこと

 

いまのトランプ大統領の頭のなかには、通商問題とシリア問題しか頭にないでしょう。そんな状況で日米首脳会談が開かれます。

トランプ大統領は、以下の点を日本に要求してくる可能性があります。

 

  1. FTAの推進
  2. 対中国貿易戦争に関して、同盟国としての参戦要求
  3. 韓国がみとめた為替条項を日本にも要求
  4. 対シリア、対イランでの協力関係確認
  5. 米国製兵器購入を要求(防衛費2%をめどに)

日本側が要求するのは以下でしょう。

  1. 北朝鮮拉致、核ミサイル問題について安易に妥協しないよう要請
  2. 日本製の鉄・アルミ製品への特殊関税適用除外を要請

結果的には「同盟関係の強化」といういつもの表現に落ち着くはずですが、その「同盟関係」という言葉に含められた意味がどこまで含むのか、そこが重要だと思います。

特に、対中国通商問題に日本を巻き込もうとしてくる可能性があり、これには要注意。往くも地獄、帰るも地獄。2大貿易相手国のうちどちらかを選べと言われるような状況に置かれることになれば、かなり悪材料視される可能性あり。

訪米メンバーの顔触れから、主要議題が経済になりそうか、外交になりそうか、軍事になりそうかは見えてきます。いつものことですが、メンバーの確認はしっかりしておいた方が良いと思います。

 

by中卒くん