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2018年6月22日 米国市況概況

 

昨晩のNY市場はダウ上昇、ナスダック下落、S&P500上昇。OPEC定例会合通過後の原油価格上昇を背景にエネルギー株主導で上昇したものの、引けにかけて急速に値を下げる展開。

OPECによる増産規模が市場予想より少ない日量100万バレルだったことから原油価格が大幅上昇。これを受けてエネルギー株が大幅上昇。大手のエクソンモービル(XOM)、シェブロンテキサコ(CVX)は2%程度ずつ上昇。独立系はコノコフィリップス(COP)、アナダルコペトロリアム(APC、パイオニアナチュラルリソーシズ(PXD)、ヘスコーポレーション、シマレックスエナジー(XEC)、デヴォンエナジー(DVN)、ニューフィールドエクスプラレーション(NFX)、マラソンオイル(MRO)など4~8%の上昇。石油掘削サービス大手のシュルンベルジェ(SLB)、ハリーバトン(HAL)、テクニップFMC(FTI)なども2%を超す上昇。

原油価格高騰の一方で景気減速感は強まり金利上昇圧力は足踏み。銀行株は総じて弱くJPモルガンチェース(JPM)、バンクオブアメリカ(BAC)、ウェルズファーゴ(WFC)、シティ(C)、PNCフィナンシャル(PNC)、サントラストバンク(STI)など総じて安い。

金利上昇一服で公益や不動産REITは底堅く推移。漏電による山火事発生の責任でここもと売られてきていたPG&E(PCG)が反発して6%高。REITは商業系のキムコリアルティ(KIM)、レジェンシーセンターズ(REG)がそれぞれ2%以上上昇、工業系のパブリックストレージ(PSA)、オフィス系のボストンプロパティーズ(BXP)なども強い。

原油価格高騰の影響から航空会社は売られ、デルタエアライン(DAL)、ユナイテッドコンチネンタル(UAL)、サウスウェスト(LUV)は2%近い下げ。

また、半導体関連は総じて弱く、マイクロン(MU)、エヌビディア(NVDA)、KLAテンコール(KLAC)、アプライドマテリアル(AMAT)など総じて軟調。

再編への機運からケーブルテレビやメディア関連は底堅い銘柄が多く、チャーターコミュニケーションズ(CHTR)が2.55%高。買収合戦で負けたことで資本政策への期待が膨らむコムキャスト(CMCSA)が3.11%高。

個別には、7000億円規模の資機材調達が伝えられたフェデックス(FDX)が売られ、決算を嫌気したレッドハット(RHT)も大幅安。アナリストのレーティング引き下げでここもと売られてきたオラクルORCLは反発。

全体的に、シクリカル銘柄からノンシクリカル内需銘柄へのシフトが進む。米中貿易戦争への警戒は銘柄選択に確実に表れてきている。