中国国家統計局発表 2018年1~5月 中国固定資産投資
中国国家統計局が2018年1-5月の中国固定資産投資を発表しています。
国家統計局サイトのデータを利用してみていきましょう。
すごい勢いで落ちていることがわかります。
尋常じゃない速さで落ちていると思います。
まぁ、今までが高すぎたとは思いますが・・・
とりあえず、個別要素についてみていきます。
固定資産への投資のうち、国有資産比率が5割を超えるものへは4.1%、
民間資本が5割を超えるものには8.1%の伸び率で投資が行われました。
中国では、民間投資が全体の6割を占めていると言われています。
- 「建設・施工」3.6%
- 「機器の購入」2.8%よりも
- 「その他費用」23.2%の伸びが大きいです。
これはなんでしょうか?よくわかりません。わかり次第追記します。
- 産業別にみると、第一次産業における固定資産投資が多いことがわかります。
- 第二次産業は伸びが2.5%と急激に鈍化。
- 第三次産業は7.7%の伸びです。
内訳をみると、
第一次産業は
- 農業林業畜産は14.7%伸び
- 鉱業がマイナス1.8%
第二次産業・製造業は
- 食品
- 医薬品製造
- 非鉄金属精錬および圧延加工業界
- 鉄道、船舶、航空宇宙およびその他の輸送機器の製造
がマイナス成長
- 金属製品産業
- 一般機器製造
- 特殊機器製造
- 自動車製造業
- 電気機械器具製造
- コンピュータ、通信およびその他の電子機器の製造
がプラス成長
- 繊維産業
- 化学原料及び化学製品製造
がほぼ横ばい
第三次産業は
- 電気、熱、ガス、水の生産と供給
- 鉄道輸送業
がマイナス成長
- 道路輸送産業
- 水、環境、公共施設管理
- 教育
- 健康と社会駅な仕事
- 文化・スポーツ、娯楽
がプラス成長
とりあえず、
非鉄金属精錬および圧延加工業界、医薬品製造が落ち込んでいることから複合して考えると、環境規制の影響が強く出ている可能性があります。
排水、大気汚染に対する規制がきつくなっています。
その影響が出てきている可能性があります。
電気機械や電子機器、特殊機器などの製造業にはひと頃の勢いはありませんが、一桁後半の設備投資をしているのでまだ耐えています。
とりあえず、これら産業の設備投資はそろそろ一巡してきているようにみえます。日本の資本財メーカーにも影響がでてくるかもしれません。
第三次産業(非製造業)では、
道路運送業がプラスです。これはインターネット通販に伴う倉庫および輸送用車両の増加の影響が出ているかもしれません。
教育、健康、文化、スポーツ、娯楽などの成熟した産業で固定資産投資が盛んです。中国の消費が高度化していっているのがわかります。
ただ、全体をみるとやはり固定資産投資の流れが減速してきています。
中国は、債務の圧縮、デレバレッジを始めた可能性が高いのではないでしょうか?
ハイリスクな融資に対する締め付けが本格化して、それが借入コスト上昇につながっている可能性があります。
なお、12日に発表された5月の中国人民元建て融資は予想外に減少しました。
とくに社会融資総量が7608億元と、4月の1兆5600億元から大幅に減少しています。社会融資総量は、シャドーバンキングや小口金融/マイクロクレジット、個人間融資などの既存の銀行システム外のオフバランス融資を含む数字が表れます。
これが減ったということは、昨年暮れにあったようなシャドーバンキングや小口融資、P2P金融への規制強化と同じようなことが、約半年たった5月あたりから始まっている可能性を示唆しています。
また、中国人民銀行は14日、現在のリバースレポ金利をキープしました。米国が利上げしていっているので追随するかに思えましたが、実際には据え置いた・・・中銀が現状の景気に対して弱気になっているのかもしれません。
とりあえず、今の中国はブレーキを効かせながら峠道を下っている最中です。
ブレーキが壊れたりしないか、しっかり見ておきましょう。