オピオイド系鎮痛剤オキシコンチン製造のパーデュー・ファーマ創業家『サックラー家」をNY州が提訴
パーデュー・ファーマの創業家『サックラー家』をNY州が提訴
オピオイド系鎮痛剤『オキシコンチン』が医療用麻薬として全米で蔓延している問題について、ついに司法当局が動き始めました。
ニューヨーク州のレティシア・ジェームズ司法長官は、オキシコンチンを製造するパーデューファーマと、その所有者であるサックラー家の人々を批判。
とくにサックラー家の人々に対しては
「人々の苦痛と死から利益を稼ぐ首謀者だ」
として痛烈に非難。
賠償金の支払いのほか、NY州内での販売禁止と薬物治療プログラムへの支出を求めて提訴に踏み切ったとのことです。
サックラー家とパーデュー・ファーマは義務を果たさなかった、とNY州司法長官
訴状のなかでレティシア・ジェームズNY州司法長官は、
「サックラー家とパーデュー・ファーマ、およびその販売会社などは規制薬物の転用防止義務を怠り、多くの依存症と過剰摂取死亡の原因になった」
と非難。
パーデューファーマが過去にとってきたような大規模な販売促進活動を問題視しています。
他の報道によると、パーデューファーマは疼痛治療薬としてオキシコンチンを売り込むにあたり、その管理セミナーを風光明媚な保養地などで行い、そこへのセミナー招待として小旅行とセットで医師を抱え込む販売方法をとっていたとのこと。
(このあたりはMRはどこも似たり寄ったりだと思いますが。)
パーデューファーマのオキシコンチン問題とサックラー家
サックラー家が所有するパーデュー・ファーマ
この会社の一番の稼ぎ頭が医療用麻薬、オピオイド系製剤のオキシコンチンです。
疼痛治療に使われる薬品で、非常に効きがいいとして人気化。
しかし同時に、オキシコンチンを入り口にしたヘロイン中毒も問題化。
2000年にはすでにヘロイン中毒者の70%超がオキシコンチンなどの医療用麻薬を入り口に利用を開始していたとされ(Wikipedia)
こうした問題に積極的に対応してこず、即応性の高い薬品を売ってきたことは大いに問題視されているようです。
パーデューファーマの創業家サックラー家はオキシコンチンを売ったカネをグッゲンハイム美術館などに寄付
パーデューファーマの創業家であるサックラー家はオキシコンチンの販売で得たカネで大富豪になります。
2015年にはForbes誌による調査でサックラー家は140億ドル(1兆5400億円)もの資産を誇る大富豪一家としてリストされていたとのこと。
著名な美術愛好家としてもしられ、メトロポリタン美術館、グッゲンハイム、スミソニアン、テートギャラリー、自然史博物館、ルーブル美術館などなど他にも多くの美術館に多額の寄付を行ってきたとのことです。
なお、ナショナルポートレートギャラリーとテートギャラリーなどをはじめとして、サックラー家からの寄付はもう受け取らない、と表明している団体が増えているとのこと。
とりあえず、アメリカ版犬神家の一族みたいなもんでしょうか。
いろいろ今後が楽しみですね。
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