ファーウェイ向け輸出の穴を探し始めたアメリカ企業~メモリ大手マイクロンが製品供給再開へ~
ファーウェイにマイクロンがメモリ輸出再開
中国の通信大手ファーウェイに対して米商務省が事実上の禁輸措置をとった問題に関して、新たな動きが出てきています。
DRAMおよびNAND型フラッシュメモリ大手のマイクロンがファーウェイに製品供給を再開するとのことです。
マイクロンによると、商務省によるファーウェイのエンティティリスト入り決定以降に一旦製品供給を停止したものの、
ファーウェイへ輸出できることが確認できたとのことで再開に繋がったとのことです。
ファーウェイへの製品輸出に抜け穴
WSJの報道によると、マイクロンおよび元商務省の職員の話として、エンティティリストには回避する方法がいくつかあるとのことです。
以下の記事でもさらっと書きましたが
ファーウェイ排除で潤う企業まで売られている件~本来ならクアルコムにはポジティブなはず~
米企業の製品であっても、米国外で作られた製品であり、かつ米国の技術や製品が使われている比率が25%未満であれば輸出可能ということです。
この穴を利用すればいいのでは?というのは、以前から自分も考えていました。
https://twitter.com/chu_sotu/status/1132279849203060738
簡単なことです。
ファーウェイ向けに、中国企業由来の技術をちょっと盛り込んだ製品を用意すればいいんです。
そしてその中国企業のパテント分をやや高めに評価してやればいいんです。
(もちろん、やりすぎると怒られそうですが。)
今回、マイクロンはそういった小手先の手段を使わずともファーウェイへの輸出が再開できることが確認されたようですが、
もしやろうと思うなら、いくらでも抜け道はあるんじゃないか?という気がします。
マイクロン以外にもファーウェイ向け輸出再開を目指す動き
報道によると、どうやらマイクロン以外にもファーウェイ向け輸出再開を目指す動きがあるとのことです。
このなかにはAMD、Intel、クアルコムなどアメリカを代表する半導体メーカーもあるとされています。
AMDのリサ・スーCEOはファーウェイの排除について非常に悲しそうなコメントをしています。
基本的に、優れたエンジニアや研究者って奴は無国籍な価値観を持っている人たちが多いですから、技術系企業同士で妙なシンパシーがあるのかもしれません。
トランプ政権がいくら保護主義的な態度をとったところで、こういったメンタルな部分は決して揺らがないでしょう。
今後、ファーウェイ向け輸出再開を目指す企業が増えるにつれ、米商務省およびトランプ政権は対中国への輸出をさらに邪魔するような施策をいろいろと導入してくると思います。
ただ、そういったやり方はいずれイタチゴッコ化し、アメリカという国の信用を貶めることに繋がるはずです。
ナポレオンの時代どころか、デロス同盟の時代からそうですが、結局最後は、排除する側が排除されて終わりました。
今回の件も、最終的にはそういった方向になるのではと予想しています。
以上。