米銀連続破綻の根本的原因と行方について~SVB、SBNY、FRC~
米銀連続破綻の根本的原因は、過剰なリスクテイク姿勢にある
最初に結論から書いておきます。
ここもと連続している米銀の連続破綻の背景には、
過剰なリスクテイク姿勢があったと思います。
んなもん、私が言わなくても、今じゃ誰もが言っています。
当たり前すぎて
「おまえは何を今更いっているんだ?」
と思う人がほとんどでしょう。
でも、半年前だったらどうでしょうか。
一年前なら?
二年前なら?
私は、ずっと言い続けてきました。
世界的に債券バブルだと。
不動産も高すぎると。
赤字SaaSやネットベンチャーも高すぎると。
一部のアセットクラスにおいては、人々が過剰にリスクを取り過ぎていると。
いま起きていることは、個人的には
「そらみたことか」
程度にしか感じません。
今まで不当に高値に評価されてきたものが、正当な評価に落ちてきて、会計上耐えられなくなってきたプレイヤーが出てきた
単にそれだけのことが、最初におきたと思っています。
https://twitter.com/shenmacro/status/1653734514366238720
いま注目すべきは、これらの動きに対する政策側の対応。
今後はこれが重要だと思います。
米銀連続破綻に対する処理過程こそが重要
ここもとの米銀連続破綻に対する処理過程を眺めてみてください。
SVBの時も、FRCの時も、誰も生きたままでは手を差し伸べようとしていなかった。
以前にtwitterでも書きましたが、要するに、SVBの破綻においてはSVBの資産側の劣化こそが問題だったということ。
決して債券利回りの上昇が主因じゃなかったはず。
(多くの人は当初、債券利回りこそが問題だと言ってましたが、やっぱり違ったのだと思います。)
そしてそれはFRCも同じこと。
最初、FRCに対するJPMの救済報道が流れたときには、そのスキームから漏れてくる関係者の思いは
「これ以上の資産価格の下落を止めたい」
というもの。
※関係者の1人によれば、大手米銀を含む潜在的買い手は、市場価格を上回る額で資産を購入するインセンティブとして、ワラントか優先株を受け取る可能性がある。
わざわざ価格を釣り上げて、そのぶん有利な条件でFRCを手にいれようというスキーム。
もしもこれから当該資産クラスが上昇していくのなら、このやり方がベスト。
しかし、たぶん、そんなヤワな話じゃなかった。
ぜんぶ棒引きして政府側も負担してくれなきゃ投資出来ない状況。
ようするに、日本の90年代後半~の動きと似ているということ。
政府保証なしでは誰も手を挙げない。
逆に言うと、政府保証アリで落ちてくることがみえた時点で、買う側は有利な条件が提示されるまで待つ姿勢を強めるということ。
これについて、「預金を全額保証するために起きたこと」と解説している方もいるようですが、個人的には全く違っていて、
「どのみち通る道だった」
と考えています。
皆が魅力的に感じる水準まで資産価値を戻して、再出発するには必要な作業だったと。
そのなかで、預金の保護は付随的についてきているだけなのだと、自分は考えています。
そして、これは米政府の方針であり、その方針に従って今後進んでいくということ。
この、高金利環境で。
当然に痛みは伴うでしょう。
いずれ、先の「資産価格を高く買い取る代わりに当該金融機関の優先株を手に入れる」というスキームが利用される時期がくると思います。
もしそういう状態がくれば、ようやく市場には安らぎが訪れることでしょう。
以上。
※なお、先にも書きましたが、私はtwitterのアカウントが(不当に!)永久凍結されておりますw
なので、この記事を自分でtwitterで拡散することができません!
とゆーわけで、最後まで読んだならちゃんと拡散してねw
誰も反応ないと書く気おきなくなるんで。。。
よろしくお願いしますm(__)m