日本国内で豚コレラが発生。中国および東アジアに広範囲に広がっている可能性。食品インフレに繋がるか?
日本で26年ぶりに豚コレラに感染した豚が発見されたとのことです。
2018年9月9日、岐阜県で豚コレラに感染した豚が発見されました。
https://www.asahi.com/articles/ASL991QJLL99OHGB001.html?ref=tw_asahi
豚コレラが日本で発生するのは26年ぶりになります。
また、中国では豚コレラより恐ろしいアフリカ豚コレラが発生しています。
なお、中国ではアフリカ豚コレラが今年2018年8月3日に中国遼寧省で発見されて以降、次から次へと感染が拡大。
中国河南省が2例目、江蘇省が3例目、浙江省が4例目、安徽省が5例目と続き、いっきに13例目までアフリカ豚コレラの感染が増えました。
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感染経路としてはダニによる感染、家畜同士の接触による感染などで蔓延します。
中国ではここ最近、感染蔓延が懸念される地域で大雨と洪水が発生しましたから、アフリカ豚コレラの感染拡大は起きやすい状況になってたのではないかとみています。
なお、アフリカ豚コレラは感染爆発的な状況(パンデミック・フルー)になっているとみて良いと思います。
豚コレラの感染は、中国だけでなく東アジア全体に及んでいる可能性があります。
あくまでも防疫体制がしっかりしている国だからこそ先んじてみつかっているだけ・・・の可能性が大きいかなと思います。
現状において特効薬などがなく、ワクチンもないアフリカ豚コレラ。対策は感染した豚をみつけだして処分するしかありません。
当然、豚肉の生産力は減少します。
豚肉を含め、肉の価格が上昇するでしょう。
アジア各国の食品インフレ率に影響してくる可能性があります。
金利上昇圧力もかかりやすくなり、政治的不安定へ向かう可能性もあります。
特に中国は世界最大の豚肉生産国であり、アフリカ豚コレラの蔓延は非常に深刻な問題になりかねません。
もしもアフリカ豚コレラが酷く蔓延するようなら、養豚用配合飼料の主原料であるトウモロコシなどは需要が減少するかもしれません。
また、食肉加工業にとっても一大事です。
アフリカ豚コレラのウイルスは、屠殺された後の肉の中でも数週間持つとのことです。落ち着くまでには数か月はかかりそうに思います。
シカゴコーン先物 月足
シカゴコーン先物日足
なお、アフリカ豚コレラ(ASF)は家畜伝染病で、人間への感染は今までのところ認められていません。
コレラという響きで警戒感を集めそうですが、ひとまず安心ですね。
今後、間違いなく新興国の価格面に影響をあたえてきます。
人々が冷静に行動していけるか、観察が必要だと思います。
追記 2018年11月1日
アフリカ豚コレラ(ASF)が中国で蔓延か~中国政府は本当の数字を発表をしていない可能性
アフリカ豚コレラ(ASF)に関するショッキングな映像がSNSで共有されています。
https://twitter.com/Wl9uZ/status/1057557909469458432
道端に打ち捨てられたアフリカ豚コレラ(ASF)に感染した豚、豚、豚・・・
これが一体、中国のどのあたりなのかはわかりませんが(植生などからみて雲南のほうかな?とは思いますが)、とりあえず、農場ではなく道端にこれだけ打ち捨てられているところをみると、中国におけるアフリカ豚コレラ(ASF)はもはや手の付けようがないほど広がってしまっているのだと思います。
アフリカ豚コレラ(ASF)によって食品価格上昇
たぶん、政府発表よりも現実は深刻だろうと思います。
中国人は豚をよく食べますから、アフリカ豚コレラ(ASF)の影響で豚肉の生産が滞れば、すぐに値段が跳ね上がることが予想できます。
食品価格の上昇は中国の人々の懐具合を悪化させ、消費を冷え込ませる可能性があります。
非常に注視してみていくべきと思います。
中国におけるアフリカ豚コレラの発生状況(2018年10月31日現在)(PDF : 448KB) 農水省
アフリカ豚コレラ(ASF)によって穀物価格が一段下落か
アフリカ豚コレラがこれだけ蔓延すると、飼料穀物の大豆などの輸入量を減らすことになるはず。
これが、世界の穀物需給に大きな影響を与える可能性があります。
現在、穀物をブラジル経由で輸入していますが、その必要量にも影響していきます。
具体的な数字が見えないあたりむずかしいですが、この調子なら穀物価格にかなり影響するはずです。
以上。