2018年8月鉱工業生産指数速報値 出荷ヒートマップ 電子デバイスセクターが弱い動き
今回も恒例の鉱工業生産指数速報値の出荷ヒートマップです。
一部の方に強い需要があるようなので載せておきます。
なお、このデータは直近12か月の出荷を対前年同月比で比較し、百分率でヒートマップ化したものです。
使用しているのは鉱工業生産速報値の品目別原指数です。
元データは経済産業省のこちらのページからダウンロードできます。
前回2018年7月の鉱工業生産指数はこちら↓
粗鋼と鋼半製品の不調になっているのは先々の需要への警戒を誘う。
H形鋼は都心再開発などで相変わらず好調。
アルミ製品やアルミ合金が総じて悪化してきており、産業機械や輸送用機械の製造全般の冷え込みを示唆している。
住宅用資材の一部に弱含むものが増えており、住宅需要の冷え込みを反映してきている。
油圧機器関連は相変わらず強く、産業機器の需要が高いことがうかがえる。
ショベルトラックが急減速している。
化粧品製造業、医薬品製造業などから需要の大きかった混合器・撹拌機・粉砕機のセグメントが大きく低下してきている。
半導体製造装置、フラットパネルディスプレイ製造機は強い動き。まだ受注減少の影響は出ていない。
数値制御ロボット、プレイバックロボットは減速感あり。中国需要が減少か。
マシニングセンタは大幅に悪化中。
鉄鋼用ロールの出荷も落ちているが、プレス機は大幅に増えている。ホットスタンプなど技術的な変化によるものか。
工業用ミシンが好調。中国からのシフトによる需要増加が起きている可能性。
プレス用金型、プラスチック金型などの落ち込みは製造業全体を占ううえでは問題。これをみると、春先から減速感が出ていたのは明らか。
切符自動券売機がのびている。更新需要。
電子デバイスセクターでは、抵抗器、コンデンサ、インダクタ、整流素子は順調に推移。
一方、電デバでも水晶振動子・複合部品は減少している。
このことから、スマホなど通信機需要が減少していても、自動車の電装化進展による需要やスマホ以外の製品の需要が堅調なことがみえる。
スイッチング電源が減少。製造装置などの受注落ち込みを示唆か?
メモリ出荷にかげり。
CCDの出荷が大幅に回復。これもスマホ需要以外の需要を獲得しているか、スマホの搭載するCCD/CMOSの数の変化によるものだろう。ソニーに追い風。
集積回路の減少スピード半端ない。
シリコンウエハは堅調。
サーボモータは今のところ翳りなし。
半導体、IC測定器の伸びが高い。
大型バスの低迷が始まっている。
自動車関連部品は好調。
コンクリートパイルが勢いがなくなっている。一時的な要因かもしれないが。建築物の基礎の部分をささえるものなので、今後の建設需要を占うのに重要。
プレストレストコンクリートが動き始めている。床版工事が動き始めたか?
相変わらず化粧品類が好調推移。
タイヤコードが低迷しているのは海外への製造移転のため。
特殊車両用タイヤが増えている。鉱山など活発に掘られているということ。
全体的に見れば、そこまで悪くはない。
ただし当然、いい方向にも悪い方向にも変化のあるセクターはある。
そこらへん見極めていったらいいと思います。
以上。