【統計】中国2018年10月鉱工業生産指数
中国の2018年10月鉱工業生産指数の伸び率は前年比5.9%増
前月5.8%増に比べてやや回復しましたが、それでもかなり弱い動きです。
ちなみに、今月の数字はちょっといろいろ操作されているような気がします。
あくまでも直感ですが。
とりあえず、具体的に中身をみていきましょう。
なお前月ぶんは以下になります。
前月は、鉱業2.2、製造業5.7(うちハイテク11.2)、電気・熱・ガスなど11.0でしたが
今月は鉱業3.8、製造業6.1(うちはいてく12.4)、電気・熱・ガスが6.8となり
全体的にみると、よりシクリカルな製造活動に直結している鉱業、製造業が回復した今月の方がかなりマシな数字になっています。
主要産業別付加価値でみると、単月の前年比較で落ちているとのは0.7%減の自動車だけであり、この統計をみるだけでは、中国経済はあまり落ち込んでいないようにみえます。
全体的に生産活動は鈍化していますが、まだ底割れな状態にはなっていないようにみえます。
ただ、個別の製品別にみてみると、やや風景がことなります。
より上流部分の硫酸、苛性ソーダ、化学繊維、セメント、粗鋼、鉄製品、非鉄金、石炭、などが好調である一方で
切削用工作機械や産業用ロボット、乗用車、発電機、スマートホン、移動体通信機器、集積回路などが落ち込んでいます。
たしかに鉱工業生産指数を全体でみれば回復したようにみえるのですが、もっと個別寄りに傾向を見た方が良いと思われます。
鋼材やセメントの生産が増えています。
景気対策でインフラ投資が拡充されることを見越した動きでしょう。
実際にインフラ投資があればいいですが、たいしたことなければ悲惨です。・・・
なお、自動車販売トータルでみると減速してきていますが、EV(電気自動車)は前年比50%程度の成長を示しています。
とりあえず、今月の中国鉱工業生産はやや回復していますが、依然として予断を許さない展開だとおもいます。
以上。