2018年10月 中国新規人民元建て融資
2018年10月の中国新規人民元建て融資は6970億元。
前月の1兆3800億元から急減。
中国新規元建て融資、10月は予想大幅に下回る 景気減速を示唆 ロイター
- マネーサプライM2は前年比8.0%増加
- 9月は8.3%増加
- 10月末時点の人民元建て融資は13.1%増
- 企業向け融資は1503億元。
- 前月の6772億元から急減。
- 住宅ローンがほぼ8割を占めるとされる家計向け融資は5636億元
- 前月の7544億元から減少
- 家計向け融資が新規融資全体に占める割合は80.9%
- 前月の54.7%から拡大
- ただしこれは、黄金週という特殊要因もあると思われる。
なお、中国の家計部門債務は以下のようになっている。
- なお、社会融資総量は7288億元
- 前月の2兆2100億元から急減
- 社会融資総量は9月に算入範囲を弄っており、以前より数字は高く出てくるはず・・・なのだが、かなり引き締まってきていることがよくわかる。
とりあえず、10月は黄金週であり、営業日が少なく、住宅販売が動きやすい週なので、そこらへんのイレギュラーさは考慮にいれないといけない。
わかりにくい状況ではあるが、そういった特殊要因をみても
中国の金融環境は、企業向け融資を中心にかなり引き締まってきている
ように思う。
なお、中国政府はこういった銀行側のシブちんな融資態度を改めさせるために一二五目標などという実状無視の政策を打ちだしています。これは
「新規の企業融資に占める民間向け比率を大手は1/3以上、中小銀行は2/3以上にするように」
というもの。そして
「3年以内に全融資の五割以上を民間向け融資にしましょう」
というものだそうです。(日経新聞2018年11月14日)
しかし、今の中国が抱えている問題は、日本のバブル崩壊後の貸し剥がしと似ています。
ケツ持ちがしっかりしているところには貸せるけど、それ以外は不良債権化しそうだから貸したくない、というのが銀行側の理屈です。
政府の音頭にのって積極的に融資を膨らませても、結果として損を出したら詰め腹切らされるのは銀行さんなのです。
半沢直樹では銀行の貸し剥がしを悪いことみたいに描いてましたけど、銀行にだって理屈はあるんです。
まぁとりあえず、これを放置しておくと黒字のところもプチプチ倒産してしまいます。
どうやって防いでいくのか、中国政府の舵取りがうまくいくかどうか、お手並み拝見といったところです。
なお、8月の融資状況はこちら→中国8月企業向け融資が伸び悩み~住宅ローン拡大でいずれ消費に悪影響か
以上です。