ゲーム産業が守るべき社会主義核心価値観とは?

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ゲーム産業も社会主義核心価値観を守る必要あり!~中国でひろがるプロパガンダ~

 

かなり以前のニュース記事なのですが、いま中国のゲーム産業で起きていることともリンクしている内容なので紹介します。

 

 

今年一月、以下のような記事が新華社に載りました。

文化部门严查网游违法违规内容强化价值导向

まぁ、中国語なんで何を書いてあるかよくわからんと思います。俺もまともに読めません。

とりあえず、Google翻訳さんの手助けも受けながら内容を纏めますと

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中国文化部が20件のネットゲームを禁止した

そのうち典型的な6つを紹介

 

1.新世纪福音战士:破晓

新世紀エヴァンゲリオン・破暁

色情的禁止内容にあたるとのこと。つまりポルノだからダメって。

 

2.街机电玩城

ギャンブルを促進するコンテンツだからだめ

 

3.命运冠位指定

Fate / Grand Order (FGO)

女性游戏角色形象暴露,大面积裸露身体,含有违背社会公德的禁止内容

女性のキャラクターの肌の露出が多いし、社会的道徳に反する内容だからダメ

 

4.碧蓝航线

アズールレーン

3に同じ

 

5.极品芝麻官

发现游戏内部分游戏情节允许玩家“刑讯逼供”“贪污受贿”,含有违背社会公德的禁止内容

拷問とか賄賂とか社会道徳的に許されない内容を含むからダメ

 

6.贪玩蓝月

在打开相关广告宣传链接后,页面出现女性裸露身体的画面,并伴有低俗的动作、声音和文字内容,该广告页面指向

広告リンクを開くと下品な女性の裸が出るからダメ

 

 

 

みたいな感じです。

中国語なんで間違っている箇所もあるとは思いますが、ゆるしてください。


 

 

とりあえず、上記で示されている方針からすると、公開していいゲームは

有违背社会公德的禁止内容(社会的道徳に違反するコンテンツ)

にあたらないこと、ということです。

 

ここでいう「社会公徳」というのは、昨今中国共産党が喧しく宣伝している「社会主義核心価値観」のこと

 

 

社会主義核心価値観とはなにか?

 

社会主義核心価値観とは中国共産党第十八回全国代表大会以降、中国共産党が各方面に対し育成・実践することを求めている価値観です。

Wikipediaによれば、

国家が目標とすべき価値観・・・富強、民主、文明、和諧

社会全体で守るべき価値観・・・自由、平等、公正、法治

個人が守るべき価値観・・・愛国、敬業、誠信、友善

といった内容なのですが、まぁ簡単にいっちゃえば、孔子の教えと法家思想と共産主義思想の都合のいいところだけを引っこ抜いて、人民を統べやすくしたパターナリズム的なおせっかい価値観でしょうか。

 

この社会主義核心価値観の標語が、ここ数年、中国のいたるところで表示されているそうなのです。

 

それこそ街のあらゆるところで。

 

 

 

うぜぇぇぇw

まぢうぜぇぇwww

 

ようするに社会主義核心価値観ってのは中国共産党のプロパガンダ標語ですねwww

 

ここまで社会主義核心価値観を称揚するのは異常だと思いますし、完全にプロパガンダですし不気味です。

でも、この社会主義核心価値観の刷り込みが、ゲーム産業にも影響し始めている可能性は、大人気バトロワゲームのPUBGがなかなか正式リリースできない理由としても指摘されてきました。

PUBG faces China ban for deviating from ‘socialist core values

PUBGはCore Socialist Values(社会主義核心価値観の英語訳)に沿わないからダメ

 

というものです。

なんで社会主義核心価値観の点からPUBG(絶地求生)がダメで、荒野行動がOKなのかさっぱりわかりませんが・・・中身ほとんど一緒なのに。

というか、荒野行動がPUBG(絶地求生)のクローンゲームなんじゃないの?という声は多いくらい、両社は似ているわけなんです。

関連:DL2億超の大人気スマホアプリ『荒野行動』がPUBGに訴えられる。NetEase株はどうなる?

同じようなゲームを開発して販売しているのに、かたや許されて、かたや許されない。

その理由がさっぱりわからない。

まるでカフカの「城」や「審判」みたいなお話が現在でも続いています。

 

 

 

 

中国共産党政府は、ゲーム産業に対して、「社会主義核心価値観」に沿ったゲームを展開することを求めています。

 

昨年夏ころ、政府系新聞などで「テンセントの大ヒットオンラインゲーム王者栄耀にハマって生活を乱す若者たち」みたいな記事が相次いで取り上げられました。

そのなかで、各紙の論調は「ゲーム会社も社会主義核心価値観を守らねばならない」みたいなことが叫ばれていたのですが、それが今になって政策面にも表れてきている・・・というのが、昨今のゲーム規制の現実だと思います。

 

 

ただ、さきほどのテンセントのPUBG(絶地求生)とネットイースの荒野行動の関係でもわかるとおり、何が社会主義核心価値観において良いのか、悪いのかの基準がよくわかりません。

 

中国では昨今、ゲーム産業への許認可を厳しくしていく方針が示されています。

中国がゲーム規制を強化へ~テンセントやネットイースには悪影響の可能性~

中国文化観光省と国家広播電視総局がゲーム認証停止

 

 

社会主義核心価値観という曖昧な基準で規制のみを強化することは、間違いなくレントシーキングの温床になります。

賄賂が飛び交い、接待攻勢で物事が動くような社会になります。

そして、接待や賄賂でおいしい思いをしたが最後、政治権力の移行とともに摘発されるリスクを恐れる悪循環に入るのです。

賄賂を贈った側も、贈られた側もです。

これは過去の中国共産党の歴代政権がずっと繰り返してきた過ちの繰り返しです。(もっというと、歴代王朝が落ちぶれた理由のひとつでもあります。)

今のテンセントと中国のゲーム産業は、まさにこの状態にあるようにみえます。

 

 

 

テンセントは全売上の半分くらいをゲーム内のアイテム販売などで稼いでいると言われています。

ですから、現状のような規制がちがちでゲーム内アイテムの新規登録すらできないような状態はかなりヤバイです。

死活問題です。

ポーカーゲーム「毎日テキサス・ホールデム」(Everyday Texas Hold’Em/天天徳州)の閉鎖問題などをみても思いますが・・・

 

中国共産党政府の役人からは、「テンセントはがっぽり儲かっているんだからちょっと寄こせよ」という態度が露骨にみえます。

社会主義核心価値観とか全く意味ありません。

やり口が塩噌をねだる年末のヤクザそのものです。

かなり露骨にテンセントへのプレッシャーをかけているようにみえます。(2月19日に書いた以下の記事でも指摘しましたが、テンセントによるチャイナユニコムや万科への出資の件でも同様のことを自分は感じました)

関連記事:テンセントのO2Oビジネス展開とコングロマリットディスカウントについて

 

 

 

とりあえず、テンセントが置かれた状況はいまそんな感じです。

テンセントはこの状況を避けるため、先日はインド市場への本格進出を発表しました。

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が、現在はまだテンセントの売上のうち海外比率は一桁前半パーセント程度でしかありません。

利益貢献はまだまだ先です。

たぶん、じきに日本市場にも乗り込んでくるはずです。

そのときの橋頭保は、たぶん先日提携したスクウェア・エニックスかカプコンです。

 

とりあえず、中国のゲーム規制への動きをみていれば、いまの中国共産党がどういった状況にあるのか一番よくみえるように思います。

もしこのまま突き進むようだと、社会のあらゆる部分で「大きすぎる政府」の弊害が出てくるはずです。

注意してみていった方が良いと思います。

 

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