テンセントの人気ゲーム「王者栄耀」が実名登録制に~近視の防止のため未成年の利用を制限する目的というが・・・
テンセントの人気モバイルゲーム「王者栄耀」(おうじゃえいよう/Arena of Valor)が実名による登録義務化となるそうです。
Tencent launches new checks to weed out underage gaming amid China crackdown
日本ではあまり知られていない王者栄耀ですが、中国では非常に大ヒットし、昨年のテンセントの業績拡大に一番寄与したゲームといっても過言ではないほどの大作MOBA(Multiplayer online battle arena)です。
今回の王者栄耀における実名義務化は、未成年の利用時間を制限することが目的といわれています。
近年、中国ではゲームのやりすぎ、勉強のやりすぎで近視になる子供が増えており、教育省は児童のゲームプレイ時間を制限するようゲーム会社各社に命令をしたり、学校の宿題量を制限するよう各学校に通達を出すなどしているとのことです。
今回の実名登録制への変更が同社の業績に与える影響を懸念し、今日2018年9月6日のテンセント株は3%を超す下落となりました。
テンセント 株価チャート 一時間足
テンセント 株価チャート 日足
しかし、今回のゲーム登録実名化が即、業績に大きく影響するという訳ではないと思われます。
課金の主体はおもに20代以上なのであり、未成年の利用時間が制限されたところで大きな影響はないはずです。
にもかかわらず、テンセント株は直近安値をあっさり割り込み、その後もじりじりと落ちていきました。
しかも、出来高はさして増えておりません。
非常に弱い動きとなっています。
先日、中国新聞出版総署と文化観光省によるゲーム審査が滞っているというニュースがありました。
そもそも、中国はゲーム産業への締め付けを強化するという報道もありました。
関連記事:中国がゲーム規制を強化へ~テンセントやネットイースには悪影響の可能性~
これらの流れを全部ひっくるめて、このテンセントの相場は人為的に作られている可能性すらあります。
かつて、世界で初めて1兆ドル企業となったペトロチャイナが政府に目をつけられて衰退したように、テンセントもなにか政府高官の気にくわないことをしたのではないか、とすら思えてきてしまいます。
テンセント株はチャートパターン的にみても非常に危険な匂いが漂っており、まさに山高ければ谷深しを地でいく展開となっています。
以前も書きましたが、ここ数年のテンセントの動きには
「直近高値から二割下がったところを買えばゼッタイ儲かる!」
という単純なアノマリーがありました。
多くの人がそのことに気づいており、多くの人が直近高値480香港ドルの2割下がったとこ、つまり380香港ドルくらいで買いを入れていました。
よって、この380香港ドルにはアノマリーを期待して買った人達の買いがずらりと並んでいることになります。
蓋ができている状態です。
上値が重たいなら下にいけ、とばかりに崩れています。
次から次へと悪材料が出てきて、下に~下に~の大名行列相場の始まりです。
予想通り、なかなか愉快なことになってきました(笑)
関連記事:テンセントの株価が直近安値にツラあわせ。暴落はおきるか?おきないか?
とりあえず、テンセントの株価はどこまで暴落するでしょうか?
チャートパターン的には、以下の記事で書いた200~220あたりまでいけば、かなりアク抜けすることになります。
必ずしもその水準まで行くとは言い切れませんが、可能性のひとつとして考えておいていただければと思います。
以上です。
なお、上記はあくまでも中卒くん個人の見解であり、特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。投資は自己責任でするようにお願いいたします。
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