統計:中国の2018年8月までの固定資産投資
中国の固定資産投資の伸びが、順調に?低下していっています。
中国の固定資産投資は年始からずっと下落傾向。
中国共産党政府は年始から債務残高の調整を目指してデレバレッジ傾向を強めていましたので、この影響が3月4月あたりまで非常に強く出ていました。
ここにきて、米中貿易戦争の影響を避けるために中国共産党政府は債務増大、金融緩和に舵をきってきましたが、8月の段階ではその効果はまだ見えていません。
今回特徴的なのは、固定資産投資の伸びが一番低下しているのが第二次産業だということ。
そして、第一次産業の伸びは高いということ。
とりわけ、農業林業畜産漁業が12.1%と高い。
5.9%の鉱業ではない。
また製造業についてみてみると、
鉄道、造船、航空宇宙などの製造業が設備投資を控えているのが見える。(4.7%減)
そして、第三次産業分野になるが、実際の鉄道輸送分野の設備投資も緩慢(10.6%減)なのがわかる。
電力・ガス・水道関連も11.4%減となっているが、ガスはかなり設備投資をやっているはずなので、水道と水道が減っている可能性がある。
ここで水道は、下水道分野へは設備投資が膨らんでいる可能性があり、水利管理の投資は3.6%減程度。
よって、電気がとくに減っているのではないかと思うが、送電分野は設備投資が伸びているはずなので、減っているとしたら太陽光や風力、水力による発電か?
太陽光発電などへの補助金減額の影響が出ている可能性がある。
教育や文化、スポーツ、エンタメ方面には固定資産投資が二けた増であり、この分野は活況。
投資を主導しているのは国内資金であり、香港、マカオ、台湾からの資金が減っている。外国からの投資も勢いがない。
ちなみに、地域別にみると中国東北部の固定資産投資の成長率の落ち込みだけが際立って酷い。
東部地域への投資は前年比5.7%増加、8月の成長率は年始7ヶ月間より0.1ポイント低下。
中部地域は9.2%増加、8月の成長率は年始7カ月間より0.1%ポイント低下。
西部地域は2.2%増加、8月の成長率は年始7カ月間より0.1%ポイントの低下。
北東部の地域は1.7%増加、8月の成長率は年始7カ月間より1.6%ポイントの低下。
非常に酷い。
東北地方は遼寧省、吉林省、黒竜江省。
何か起きるとしたら、たぶんこの地域だろう。
とりあえずこの数字からすると、中国共産党政府が進めようとしている金融緩和、財政拡張政策の効果は8月の時点ではまだ出てきていない。
むしろ、年始からのデレバレッジの影響をまだまだ引きずっているようにみえる。
はたして9月には効果がみえてくるだろうか?
次の統計まで一か月、みえるまでは神経質な展開になりそうに思う。