北米5G投資いよいよ動き出す、通信機器大手エリクソンの2018年Q3決算からみえること
2018年10月18日、フィンランドの通信機器大手エリクソンが2018年Q3の決算を発表、このなかで北米5G投資の拡大が示唆されていたのでお伝えします。
エリクソンの決算はここ数年、非常に鈍いものとなっていました。
これは、5G投資を控えて4G投資を縮小、資金をため込む動きになっていた通信各社の設備投資態度によるものです。
エリクソンの業績は長らくグロスマージン、営業利益率ともにネガティブな数字を示していましたが、これ2018年Q3ではグロスマージンは36.9%、英業歴率は7.9%に改善しています。
なお、エリクソンの決算をみると中東およびアフリカ、北東アジア、南東アジア、オセアニア、インドなどでは売上が落ちていますが、
逆にヨーロッパ、ラテンアメリカ、北米は伸びています。
特に北米の売上の伸びは10%の伸びと大きく、これの主因が5G投資のためとのこと。
まだまだ序の口、動き始めの段階でこれだけの伸びを示していますから、本格的な設備投資になれば凄まじいボリュームになることが予想されます。
なお、この北米5G投資の顧客がどこであったのかは言及がありませんでしたが、通信大手ベライゾンが展開する「Verizon 5G Home」ではないかと自分は予想しています。
これは5Gのスマホではなく、5Gの高速通信を生かした家庭用無線ルーター/固定無線アクセスサービスみたいなもの。
5G Fixed Wireless Access (FWA)と言われるものです。
Fixed Wireless Access (FWA) – Ericsson
こんなニッチな市場ですらこの規模の売上増加になってくるのですから、5Gというのは相当に大きなマーケットになると思います。
今後、5G網は後方互換性を保ちながら徐々に進化をしていく日本や欧州、アメリカと、一気にピュアな5Gの導入を急ぐ中国などにわかれます。
なお、5G投資にいくら必要か?という問いにはいろいろな解釈がありますが、とりあえずForbes2018年3月5日などの報道を基にすると、5G投資には2025年までに35兆円かかるのでは、とのみかたがあります。
ただ、この集計にはデータセンター需要による部分が大きいため純粋にエッジコンピューティングやネットワーク部分がいくらになるかは見えません。
国内通信企業の想定をみてみると、5G関連投資は計6兆円くらいかな?というザックリとした見方を自分はしていますが、ここらへんは流動的です。
日本国内は今年、電波の配分が決まりますから、その後に一気に投資額がみえてくるはず。
それをみてみてからの判断になろうかと思われます。
なお、今回の件とは話が別になりますが、中国では、世界初の5G対応スマホ「Mi Mix 3」がシャオミ(小米/Xiaomi)から10月25日に発表するといわれています。
https://twitter.com/donovansung/status/1036559638714445824
こちらの新商品ですが、5Gの通信環境で使用していることがアンテナマークからみえます。
実際に利用可能なのは2019年からとなりますが、とりあえず、新しいもの好きな人たちが騒いでいます。