中国がゲームの許認可作業を再開~しかしテンセントのゲームは一本も入っていない~背景に役人の嫉妬心?

中国がゲームの許認可作業を再開~しかしテンセントのゲームは一本も入っていない件~

 

中国のゲーム許認可対象にテンセントのゲームが一本も入っていない・・・

春先から凍結されていた中国のゲーム許認可作業が再開しています。

今回承認されたのは80タイトル

しかし、どれもこれも小粒な企業のものばかりで、大手のテンセントのゲームが一本も入っていません。

China approves 80 new video games, ending the freeze on new …

しかも、「Fortnite:Battle Royale」や「PlayerUnknown’s Battlegrounds」などの収益化は禁じられてしまっています。

 

 

なぜテンセントのゲームが許認可対象から外されているのか明確な理由は示されず

今回、なぜテンセントのゲームが許認可対象から外されているのか明確な理由は示されていません。

基準が全く示されず、その見えない基準の上で判定された結果だけが示されるかたちになっています。

プロセスが見えなければそこにロジックがあるのかどうかが見えません。

不透明な審査は、「本当に正当に審査をしているのか?」という疑念を生みます。

中国政府はいまだにこういった部分を理解していません。

「中央政府が是非について言ったら、それに従うのが民の責務だ」

という態度を崩していません。

このあたりが米中通商戦争の根底に流れている価値観の違いなんですが、そこをやっぱり中国共産党政権はわかっていません。

 

 

テンセントは共産党に表彰されたのに?

中国共産党は、先日の改革開放40周年記念式典に民間企業経営者も呼びました。

このなかでは、テンセントのポニーマー会長も呼ばれています。

共産党から表彰されています。

この時も自分は書きましたが、基本的に人を表彰するというのは、その人物を下にみているということです。

人から表彰されることは、自分が下に扱われたということです。

テンセントの会長はそれを理解しつつ、招待を受け入れ、中国共産党から表彰されました。

それなのに、テンセントはよくわからない基準でハブられています。

 

 

 

中国共産党政府内部で、テンセントのような巨大企業が力を持つことに警戒感がある?

中国共産党の人々は、熾烈な権力抗争を勝ち抜いて、上層部に上り詰めたような人たちばかりです。

そうした権力抗争をしてきた人々にとって、民間の成功者はどういった存在にみえるでしょうか?

自分たちはいつ失脚して処刑されるかもしれない身。

日々びくびくしながら生きている。

なのに、民間の連中はそういったリスクを負わないで金持ちになっている。

しかもそのカネ、国民をゲーム漬けにして稼いでいるじゃないか。

ちょっと生意気だし不健全だ。

テンセント、しおらしくしていろ。

 

 

こんなかんじで政府の高官が考えていても不思議ではありません。

日本でもこういう時代があったそうです。

戦前の話ですけど。

 

 

テンセントと中国共産党とゲームの関係が、鮎川と関東軍とアヘンの関係にみえてくる

戦前の日本軍の話で言うと、満蒙でガッツリ稼いでいる連中を、軍部の連中は内心苦々しく思っていたような部分があります。ちょっと分け前よこせよ、と。

テンセントは中国国民をゲーム漬けにして稼いでいますが、満蒙に出張っていった日本の財界連中は、中国人をアヘン漬けにして稼ぎました。

それと持ちつ持たれつで勢力を展開していったのが満蒙の関東軍です。

どうも自分には、これらの関係が今のテンセントを巡る関係にどことなく似ているような気がしてなりません。

 

 

 

中国共産党政府にとって、ゲームは麻薬とおなじ?

ぶっちゃけた話、中国共産党の役人にとって、ゲームは麻薬と同じようなものなんじゃないか、という気がしています。

春先に中国政府が禁じたゲームの基準っていうのが

違法、不道徳、低品質、社会的悪影響

なんですよ。(党の思想なんてのも入ってますが、協調しているのは上記です。)

これ、麻薬とおなじでしょう。

おもうに、中国共産党の役人にとっては、ゲームは必要悪

タバコなんかと同じカテゴリーな感じがします。

専売制で統制しなくちゃいけない対象なわけですね。

 

 

 

とりあえず、なんかだらだらと私見まみれな記事になってしまいましたが、今回のテンセントを巡る動きというのは、中国共産党内部の役人の感覚を掴むには最適な気がしています。

中国共産党の役人は、米国との通商摩擦の完全和解は望んでいません。

自由化しすぎたり、明文化された法律が罷り通ったら、自分たちの存在意義が失われかねませんから。

法家思想じゃ困るんです。あくまでも儒家の延長線上でないと。

 

 

今後は、習近平が果たしてこの役人天国を潰せるかどうか、そこにすべてがかかってくるはず。

もし外圧を利用して、国難を打破するためという名目で不透明な官僚天国を潰せたら、中国は今よりもかなり大きく飛躍すると思います。

しかし、それができなければ、かなり暗い未来が待っていると思われます。

 

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以上です。