「コラム」カテゴリーアーカイブ

倒産するなら倒産させればいい~新型コロナウイルスで過剰な支援は無用~

倒産するなら倒産させればいい~新型コロナウイルスで過剰な支援は無用~

 

新型コロナウイルス蔓延に伴う倒産はほったらかしにすべき

世界中で新型コロナウイルスが蔓延しています。

これにより、クルーズ船各社や大手ホテルチェーンなど、観光業、飲食業などを中心に多数の倒産可能性が高まっています。

クレジットリスクも先週あたりは非常に高まり、市場としても倒産ラッシュを意識した動きとなってきました。

こうした流れに対して関連業界からは支援を求める声があがり、

各国中銀、政府なども支援策などを矢継ぎ早に投入する姿勢をみせたことで、ここ数日はやや落ち着いた流れとなっています。

 

さて、ここで肝心なことがあります。

果たして、コロナショックが起きたからといって、事業者を保護することが本当に好ましいことなんでしょうか?

保護すべきは失業者であり、事業者ではないのではないか・・・自分はそう考えます。

 

会社はハコ。コロナウイルス蔓延で倒産するなら倒産すればいい

ぶっちゃけた話、会社なんてハコにすぎません。

サービスなり財なりを生産して、消費者に販売するためのハコです。

このハコが倒産したからといって、ハコ自体がなくなるわけじゃありません。

ハコの所有者・・・つまり債権者や株主が痛みを受けるだけの話です。

ハコ自体は、債権処理を経て、新たな所有者のものになります。

 

もしかすると、その債権処理の段階で労働者の人員削減などが行われ失業者が出るかもしれませんが、

失業者は失業保険などがありますから、別にそれはそれで保護する枠組みがあります。

 

また、もしかすると新たな所有者があらわれないかもしれません。

まったくハコの買い手が現れず、破綻処理するしかなくなるかもしれません。

しかしそれは、そもそもそのハコ自体の魅力がないということです。

長期的にみて事業自体の魅力がないということです。

民間目線でみて事業自体の魅力がないものを公的資金・補助金で下支えしても全く無意味です。

資本生産性・労働生産性が低下するだけです。

 

また、仮に破綻処理したとしても、その土地、建物、設備などは使えるものは再利用されることになりますから、破綻処理自体は全く無意味であるというわけではありません。

 

 

新型コロナウイルスで倒産するような事業設計が悪いだけ

そもそもにおいて、出資も融資もリスクを背負ってリターンを求める行為です。

リターンがあるときだけ受け取って、リスクが顕在化したとたんに国に泣きつくというのはどうしたことでしょうか。

個人的には、こうしたアマッタれた事業者はしっかりシバいて淘汰すべきだと思います。

 

新型コロナウイルスは予見不可能だったという人もいるでしょうが、20世紀に入ってからでもスペイン風邪やアジア風邪など、何度も感染症拡大は起きています。

19世紀までさかのぼればペストやコレラなど何度もあったわけです。

観光業に投融資してきた連中は、こうしたリスクを理解してやってきたはずです。

理解していなかったというなら、それは阿呆だったというだけのことです。

それはもう、さっさと淘汰したらいいんです。

 

なお、失業者保護も特に必要ないでしょう。

失業者には失業保険がありますから、別途用意する必要もないはずです。

 

新型コロナウイルスにおける補助金は、倒産防止の観点ではなく、私権制約の対価のみにすべき

なお、自分は政府による支出すべてを否定しているのではありません。

 

もし政府が補助を出すとするなら、政府が事業停止を強制的に求めた場合への補償としての補助金にすべき、と考えています。

私権の制約を事業者に求めるならば、それ相応の補助をすべきでしょう。

この点については自分はもっとしっかり政府は保護すべきだと思っています。

たとえば、K-1興行主に対してはしっかり補償を行うことで、イベント開催を強制的に辞めさせるべきだったと思いますし

コミケなどに関しても、自粛要請ではなく強制的なイベント開催禁止とし、補償を行うべきだったと思います。

 

今のように、政府が何も補償しないまま、自粛要請を出し続けるやり方は歪です。

そのあたりもふくめて、財政支出の使い道を考えていくべき段階ではないかと思います。

以上。