テスラモーターが予想外の黒字転換。モデル3がついに黒字化実現
テスラモーター(Tesla Motors)が2018年第3四半期決算を発表し、なんと大方の予想に反して黒字化を実現しました。
第3・四半期の利益は3億1150万ドル、EPSは1.75ドルのプラス
前年同期は6億1940万ドル、EPSは3.70ドルのマイナス
大きく改善しました。
これを受けてテスラモーター株は時間外で10%以上の上昇
なお、テスラモーターが黒字化するのはこれで三回目
キャッシュフローの黒字化も同時に実現しており、これも今までで三回目となります。
テスラモーターは先週、力をいれている量産車テスラ・モデル3の生産が週5300台ペースになったことを発表していました
が、この生産数が黒字化に繋がるかどうかについては、アナリストの間で疑問符をつける向きが多かったように思います。
今回、テスラモーター側の事前の計画通り、量産による効率化で黒字化を実現したことは非常に大きな意味を持ちます。
まず、テスラの目標とするところは簡単です。
スマートフォンでも家電でも工場で自動的に作れるんだから、自動車だってできるはず・・・
みたいな感覚です。
携帯電話はかつてはペットボトルよりもデカかったけど、今じゃめちゃめちゃ小さい。
自動車も何度も設計を繰り返していけば小さくて安いEVもつくれるようになる。
そういうことです。
この考えに対し、既存の自動車メーカーの関係者などからは
「自動車はパーツを組み立てればすぐ走るような、そんなに簡単なものじゃない」
「既存の大手自動車メーカーは何十年もかけて生産管理技術を磨いてきた、テスラがそれを一朝一夕に手に入れるのは無理」
といった反論が多かったように思います。
今回、テスラモーター、そしてイーロン・マスクはこうした保守的な見方をみごとに裏切りました。
テスラ・モデル3は標準バッテリー(350㎞の航続距離)の基本モデルが35000ドルからです。(補助金含まず)
実質的にはオプションをつけて40000ドル台半ばくらいになるとは思いますが、かなりリーズナブルな価格設定になってきていることは確かで、爆発的な予約を抱えることとなっています。
今までは生産管理技術が未熟で混乱し、赤字を膨らませる要因になっていましたが、ここにきて黒字化。
テスラは生産台数週4300台でも黒字化達成できた
というのが非常に大きなポイントです。
テスラは週7000台の生産を短期的目標としていますから、今後、生産管理をさらに洗練させていけば、かなり低コストで生産できるようになるはず。
もっというと、
テスラモデル3の価格を下げることも可能
ということです。
量産車モデルであるテスラモデル3ですら黒字化を実現できてしまった。
しかもまだ、短期的に達成可能とみられる週5000~7000台まで到達していないのに、テスラは黒字化してしまった。
これは非常に大きなことだと思います。
テスラモーターズにとってというより、既存自動車メーカーにとって、非常に大きな出来事です。
アメリカのような高賃金の国ですら、黒字化達成できるのです。
今までの生産管理ではなく、モジュールを組み合わせるEVで低単価を実現できるのです。
これは、既存の自動車メーカーにとっては恐ろしい事態です。
時代が変化する可能性があります。
テスラのイーロン・マスクCEOは以前、十年以内に自動車販売の半数はEVになる。
と語っていましたが、それがあながち夢ものがたりではなくなる可能性があります。
生産コストの面からみて、そうなる可能性は出てきています。
とりあえず、今後のテスラモーターズの動向には要注意です。