フォルクスワーゲン傘下のトラック・バス部門トレイトン(トラトン)・グループ(スカニア・独MAN)が上場準備を加速~日野自動車とは電動技術で提携強化へ~
フォルクスワーゲン(VW)傘下のトラック・バス部門で、独MANやスカニアなどのブランドを保有するトレイトン(トラトン/TRATON)が年内にも上場準備を終え、早期に上場することを検討していると報じられています。
VW、トラック・バスの上場準備年内完了へ 日本経済新聞
独MANやスカニアなどのブランドを傘下に持ち、米ナビスターにも出資しているVW(フォルクスワーゲン)のトラック部門ですが、今年8月には社名をトライトン・グループに変更。
さらに年内には上場準備を完了させ、来年までには上場させたい方針とのことです。
フォルクスワーゲンは傘下バス・トラック部門をトライトン(トラトン)としてスピンアウトすることで、経営と財務の独立性を高める方針です。
また、ダイムラーなど同業に比べて遅れているEV技術の開発を促進することも狙っており、トレイトン・グループは今年4月に日野自動車と技術提携の深化をしていくことを発表しました。
日野自動車の下義生社長兼最高経営責任者(CEO)によると50.1%を出資する親会社のトヨタ自動車からも「『ぜひ進めてください』というコメントをいただいている」とのこと。
電動化やコネクテッドカー分野、自動運転分野で競争が激化する環境をスピード感を持って進めるために必要な方針との考えを表明しました。
VWと日野、戦略的提携で合意…電動化やコネクト、自動運転などの技術を … レスポンス
この日野自動車とトレイトン・グループの技術提携方針の第一弾として、9月17日には電動技術に関して共同開発と部品・資材の共同調達を発表しました。
VWと日野、電動トラックを相互供給 調達合弁も設立 日本経済新聞
今回の提携で、トレイトン・グループ側はおもに独MANやスカニアなどで開発している大型トラック向け電動化技術を供与。日野自動車側は、中小型トラックのEV化技術を供与する方針とのこと。
今回トレイトン・グループと日野自動車が設立した合弁会社は両社平等の権利を持っているとのこと。
トレイトンのアンドレアス・レンシュラー社長によると、今後は電動化技術だけでなく、自動運転技術やコネクテッドカーなど情報化技術の開発でも提携していくということです。
なお、トレイトン・グループはフォルクスワーゲンからスピンアウトして上場する方針ですが、この時の調達資金を米ナビスター・インターナショナルの買収に使うのでは、と噂されています。
ナビスターインターナショナルの株価(NAV)は以下のようになっています。
日野自動車の株価(7205)は以下のようになっています。
なお、日野自動車について書いた過去記事はこちら