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中国の天然ガス事情 ロシアからの新パイプライン「パワー・オブ・シベリア」は2/3が完成

中国・ロシア間の天然ガスパイプライン「パワー・オブ・シベリア」が完成まで1/3

 

こんばんは、中卒くんです。

 

ゼロヘッジに以下の記事が公開されました。

 

 

The Power Of Siberia And China’s Next Natural Gas Moves

https://www.zerohedge.com/news/2018-02-13/power-siberia-and-chinas-next-natural-gas-moves

 

 

ガズプロムが開発するシベリアのガス田から中国へのパイプラインは2/3が完成、今年年末には供給開始できるという内容です。

 

中国では毎年冬になると、PM2.5や硫黄酸化物などによる酷い大気汚染でスモッグが発生しています。その要因は主に自動車の排気ガスや石炭火力発電、炊事や暖房に使われる石炭・木炭系燃料のせいだと言われています。

 

そこで中国政府は、自動車はEV(電気自動車)化を推し進めたり、ナンバープレートの配布に制限を加えたりしてモータリゼーションによる環境汚染を食い止める一方で・・・

 

発電における石炭比率を下げるために、炭鉱開発や掘削に規制を加え、国内流通する石炭価格を引き上げたりしています。そのせいで、華能国際電力(ファネンパワー)や北京大唐発電(ベイジンダタン)など、石炭火力発電比率が高い企業の業績はここ数年パッとしません。代わりに、風力や太陽光などをメインにする再生可能エネルギー企業が業績を上昇させてきています。(華能新能源、新天緑色能源、龍源電力など)

 

また、炊事や温水供給、冬季の暖房などの家庭内利用に関しては、石炭から都市ガス(天然ガス)にシフトさせるように政府は促しています。石炭を燃やして出る煤を減らすためには少々手荒なやり方も必要なようで、なかには市政府によって石炭窯を壊されてしまったり、石炭ストーブを持ち去られてしまった等と言った話もあるそうです。

中国「脱石炭」政策の迷走 「厳寒にガス欠」で起きた怨嗟の声

 

 

また、あまりにも拙速にやりすぎたがために、工業用の天然ガスが足りなくなり、基礎的な素材産業や化学産業、ガラス産業などに影響が出ているそうです。

中国工業地帯を襲う天然ガス不足、環境対策が裏目に

 

 

 

つまり中国は慢性的に天然ガスが足りていない状況。これを克服するために中国政府が力をいれているのが、隣国であるロシアからのパイプラインを通じた天然ガス供給なのですが、これが今年の冬には開通する見込みとなりました。

また第二、第三のプロジェクトなども控えており、今後は中国が世界最大の天然ガス消費国になるものと予想されています。

 

 

 

関連銘柄を載せておきます。

 

 

ガスプロム(ロンドン市場 OGZD) (フランクフルト市場 GAZ)

言わずと知れたロシアの天然ガス大手です。掘削からパイプライン運営まで行っています。天然ガス価格下落で業績が悪いですが、中国で需要が増えれば経営環境が好転するかもしれません。

 

 

 

ENN Energy (新奥能源) (香港市場 2688)

中国国内でガス管の敷設、家庭用ガス供給を行っている大手です。この暴落局面で高値更新してきています。

 

 

Kunlun Energy (クンルンエナジー 昆侖能源) (香港市場 0135)

ペトロチャイナ系の天然ガス供給大手です。掘削などの上流資産はペトロチャイナに売却、代わりにガスパイプラインや供給などの下流事業に集中する経営戦略のようです。

 

 

Hong Kong and China gas (香港チャイナガス/ホンコン中華ガス/タウンガス)

(香港市場 0003)

1862年創業のとても古い企業です。恒基兆業系。ガス事業だけでなく環境や水ビジネスにも乗り出しています。

 

China Suntien Green Energy (新天緑色能源/チャイナサンティエングリーンエナジー)

(香港市場 0956)

河北省地方政府系の再生可能エネルギー&ガスパイプライン運営、供給会社です。風力・太陽光発電と家庭用・工業用ガス供給を主に河北省にて行っています。河北省は北京を取り囲むように位置し、中央政府の環境政策が厳しく行われている地域ですから、同社の業績にはフォローの風が吹いていくと思われます。雄安新区関連で大きく値を飛ばした後、最近は調整局面にあります。なお、大株主は河北省系開発会社のほか、ノルウェーやシンガポールの政府系ファンドが並んでいます。

 

 

 

これら銘柄は総じて低PER、中EV/EBITDAです。PERやPCFRなどでみると超割安ですが、借入金の多い銘柄があります。トレンドラインが下向きなものもあるので、いますぐ買うよりは動き出すのを眺める方が良いのではないかと個人的には思っています。とりあえず、ここからは配当落ち日を意識しながらの売買になるかと思われます。

 

 

 

 

 

なお、ここで書いた情報は正確性を保証するものではありませんし、投資を推奨するものでもありません。投資の判断は自己責任でお願いいたします。

 

 

by中卒くん